東京餃子通信の塚田です。
先日、福岡に行ったついでにちょっと足を延ばして八幡にやって来ました。
北九州市の八幡地区はご存知「八幡ぎょうざ」で全国餃子サミットなどにも参加しているご当地餃子でも有名な場所です。
博多駅から特急に乗って30分ほどで八幡地区の中心地である黒崎駅に到着。
こちらで、餃子仲間のHさんと待ち合わせ。
私が知る限り八幡ぎょうざについて最も詳しいH氏に、八幡ぎょうざを案内いただきました。
最初に向かったのは、黒崎駅前にある「本店 鉄なべ」。
八幡に来たら絶対に来ようと思っていたお店です。
昭和33年に八幡の折尾で創業をして、その後、黒崎に移転して現在に至る、八幡ぎょうざの代名詞的な存在のお店です。
しかも、こちらはいまや博多名物の一つともなった鉄なべ餃子の元祖のお店。
博多の鉄なべ餃子系のお店の源流をたどると、必ずこの「本店鉄なべ」に行きつきます。
看板には「本店 鉄なべ」とならんで小さく「やまとぎょうざ」と書かれています。
北九州市周辺は、地理的には中国に近く早くから中国の餃子が入ってきていたらしいのですが、それを本店 鉄なべの創業者の方が日本人の口に合うように和風の味付けにアレンジをしたのが「やまとぎょうざ」と名付けた由来とのこと。
流石Hさん、なんでも知ってます。
やはり地方の餃子を食べ歩きする際に、現地に案内をしてくれる方がいるのはありがたいですね。
それでは、早速、店内に入って餃子をいただきたいと思います。
店内はU字型のカウンター席が厨房を囲うように設置されています。
餃子のメニューは焼餃子と湯餃子(スープ餃子)の2種類。
以前はスープ餃子用に専用の餃子を作っていたそうなのですが、現在は同じものを使っているとのことで、今回は元祖「鉄なべぎょうざ」をいただくことにしました。
カウンターの内側では、お母さんたちが餃子の皮伸ばしと包みを手際よく進めています。
そしてその奥では職人さんが鉄なべをずらっと並べて餃子を焼いています。
一人前の餃子を作るだけでかなりの手間をかけています。
手延べで一つ一つ作った餃子が10個で540円というのは安すぎるような気もします。
餃子が焼きあがるまでの間、ふとカウンターに目を落とすとカウンターの一部に鉄が埋め込まれていることに気づきます。
熱々の鉄なべをそのまま置けるようになっているんですね。
待つこと5分ほどで鉄なべ餃子が運ばれてきました。
ひと口サイズの餃子が10個きれいに整列しています。
この鉄なべに乗せて出すというアイデアは、創業者の方のお兄さんが東京に行った際に食べたナポリタンが鉄なべに乗って出てきたことに驚き、それを帰ってきた話したのがきっかけなのだとか。
ナポリタンと餃子こんなところでつながりがあるとは意外ですね。
「本店 鉄なべ」の餃子は、まず包み方に特徴があります。
小さく、薄く伸ばした皮を使い、真ん中に一つだけひだをつけて包んであります。
これは速く包めそうです。
焼き面は底ではなくひだの逆サイドになっています。
三日月形ではなくほぼ半月型。
このため一口サイズですがパリッとした焼き面はかなり広めにとられています。
餃子の包み方や形は博多の鉄なべ餃子店と比べるとかなり異なります。
源流は同じでもそれぞれ独自に進化しているのでしょうね。
専用タレをつけていただきます。
餡はキャベツの比率がかなり多めです。
キャベツの水気を絞るのがおいしさのポイントなのだとか。
肉は豚肉と牛肉が使われています。
九州の餃子には牛肉が使われることが多いのも特徴的ですよね。
その他は、ネギやニラといった一般的な具材。
ニンニクとごま油の香りも少しあります。
それからラードを使わないと点も「やまとぎょうざ」として外せないポイントなのだとか。
パリッとした軽い触感の餃子はおつまみとして最高。
車で来てくれたHさんに遠慮して、最初はビールを我慢していたのですが、餃子を食べ始めたら我慢ができません出した。
一人で飲んじゃってすみません。
鉄なべによる保熱効果もありますが、それ以上に軽い食感とさっぱりした味付けの餃子は、冷める時間も与えずにどんどんお腹の中に消えていきました。
ビールを飲み始めたら10個なんてあっという間。
もう少し食べたかったのですが、限られた時間で八幡ぎょうざを何店か食べ歩くのが目的だったので今回はここで打ち止め。
再訪を心に誓い、次に八幡ぎょうざ店に移動しました。