東京餃子通信編集長の塚田です。
今回も引き続きHASH#FUKUOKAの「東京餃子通信の編集長が、餃子のルーツを求めて食べ歩いた福岡の餃子屋11店」からのスピンオフのレポートです。
今回ご紹介するのは「鉄なべ 荒江本店」。
今や全国的な知名度になっている福岡の鉄なべ餃子ですが、発祥のお店はお隣北九州市の八幡にある「本店 鉄なべ」。
この八幡の「本店 鉄なべ」で働いていて、その後、福岡に鉄なべ餃子を持ち込んだのが「鉄なべ 荒江本店」の創業者なのです。
現在は創業者の孫にあたる方が店主を務めています。
「本店 鉄なべ」荒江地区は、電車では一番近い地下鉄「茶山駅」からも1キロ以上離れていて、バスで行くのがよさそうな場所です。
数年前に建てた新店舗は一階が駐車場で二階が店舗スペースになっている立派な建物。
店内はテーブル席と座敷席合わせて60席とかなり広々としたお店です。
餃子専門店としてはかなり大きな規模ですね。
座敷の壁には、博多駅前で屋台を営んでいたころの「元祖 鉄なべ」の写真が飾られています。
この屋台を一緒にやっていた姉妹が、その後に荒江と中州でそれぞれお店を持ち、屋台は別の親族に引き継がれ、今では祇園の鉄なべとして営業をしているとのこと。
席について餃子を注文すると鍋敷きがテーブルにセットされます。
この上に熱々の鉄鍋が置かれるわけですね。
そして、餃子ダレに赤い柚子胡椒をちょっと混ぜて、タレの準備も万端です。
注文から10分ぐらい経ったところで、待ちに待った鉄なべ餃子の登場です。
テーブルの上に運ばれてきた後もジュージュー、パチパチと餃子の焼ける音が聞こえます。
手延べの皮で餃子を包んだ後にくっつかないように打ち粉を多めにふっているため、焼き目の周りにカリッと揚がった小さな羽根が付いてます。
油を多めにつかって揚げ焼き気味にされているのですが、焼き上がった時にしっかりと油切りをしているので、ベトついた感じが一切しないのが素晴らしい。
これまで食べた餃子の中で最もクリスピーな食感の餃子かもしれません。
熱々の鉄鍋で熱せられて、ヒダ側にも軽い焼き目が付いています。
モチっとサクッとした食感が同時に楽しめます。
そして皮の中からからは熱々に熱せられたジューシーな餡が出てきます。
これが本当に熱くて最初は味がわからないほど。
どれくらい熱いかというと、銀だこのたこ焼きよりも熱いかもしれません。
ハフハフ言いながら餃子を食べていると、ニラとニンニクの香りが口の中いっぱいにひろがり、鼻から抜けていきます。
そして最後に豚肉の旨味やキャベツの甘さが最後にじわじわっと感じられるようになります。
タレと柚子胡椒でさっぱりとさせて、味の変化をつけると最後まで飽きずに食べられます。
福岡の一口餃子はサイズが小さいので、ダブルでも一口で収まります。
ただし熱々のピークの時にはこの食べ方は危険なので、少し温度が落ち着いてきたところまで待つことをお勧めします。
ダブルで食べると、焼き目のクリスピーさがさらに際立ち、カリッカリの餃子が楽しめます。
今回の「鉄なべ 荒江本店」の訪問で、八幡の「本店 鉄なべ」、中洲の「鉄なべ 中洲本店」、祇園の「博多 祇園鉄なべ」を含めて、主要な鉄なべ餃子の店を一通り周ることができました。
同じ鉄なべ餃子でも食べ比べをしてみると、それぞれ特徴があるのが面白いですね。
皆さんも福岡に訪れた際に、鉄なべ餃子を食べ比べをしてみてはいかがでしょうか。
鉄なべ 荒江本店 (餃子 / 茶山駅、金山駅、藤崎駅)
夜総合点★★★★★ 5.0