東京餃子通信編集長の塚田です。
引き続きHASH#FUKUOKAの「東京餃子通信の編集長が、餃子のルーツを求めて食べ歩いた福岡の餃子屋11店」からのスピンオフのレポートです。
今回ご紹介するのは福岡でもっとも有名な餃子店の一つ「餃子のテムジン」の大名本店です。
福岡市内に広がるローカルチェーン店で、東京や大阪にも進出をしています。
先日も博多駅近くにある「テムジン KITTE博多店」の揚げ餃子を取り上げたので、皆さんの記憶にも新しいと思います。
大名の繁華街の中にある「テムジン 大名本店」は、平日は夜の営業のみですが、土日祝日は11時から営業しています。
お店の壁には「大名てくてくMAP」なる大きな地図が設置されています。
徒歩圏内にあと2店舗テムジンがあるのがわかります。
店内は手前にカウンター席とテーブル席、奥には座敷がありかなり広いです。
座敷席の壁一面にサイン色紙が飾ってあり、多くの芸能人、スポーツ選手が「テムジン」の餃子のファンであることがわかります。
そしてカウンター席の上には歴代の横綱の名前がかかれた木札が飾られています。
この歴代横綱というのは、かつては大名本店で実施されていた番付制度で横綱になった方々。
餃子を150個以上完食すると横綱になれたようです。
現在では実施していないそうなのですが、KITTE博多店や大阪うめきた店では現在も番付制度は実施されているとのことです。
大名本店で出されている餃子は3種類のみ。
焼き餃子、水餃子、そしてスープ餃子です。
今回は、焼き餃子と水餃子をいただくことにしました。
週末は昼間から営業していますが、ランチメニューがあるわけではありません。
ということで、ビールのつまみとして餃子をいただくことにしました。
昼間から飲んじゃってすみません。
テムジンでは餡は、門外不出のレシピらしく本社工場で一括生産して、各店舗に送られてきます。
各店舗の店長さんですら、餡の詳細なレシピは知らないそうです。
皮はお店で手延べ。
カウンターの左端の席に座ったのですが、なんと目の前で皮伸ばしを見ることができました。
見事な手さばきで、みるみるうちに餃子の皮が伸ばされていきます。
先ほどの皮は水餃子用だったようで、ひだを付けずに餃子を包んでいました。
先に水餃子が出来上がりました。
伸ばしたての皮で包みたての餃子です。
これは嬉しいですね。
皮は薄めに伸ばされて柔らかな食感。
福岡のうどんのように、つるんとのど越しよく食べられる餃子です。
そして薬味は赤柚子胡椒。
専用の餃子ダレにネギと柚子胡椒を入れて食べます。
餃子の味付けもさっぱり目なのですが、タレをつけるタレの風味でさらにさっぱりと爽やかな感じになります。
水餃子に続いて、大きな鉄なべで餃子を焼き上げます。
鉄なべの上でジュージュー鳴っていた餃子の焼き音がパチパチという音になれば出来上がり。
蓋をあけると香ばしいかおりがカウンター越しにも感じられます。
この香りが空腹のお腹を刺激します。
こちらが焼きあがった餃子です。
いい感じの焼き加減ですね。
一列5個ずつキレイに行列しています。
かなり小さめの一口サイズ。
全体的にしっとりとした感じに仕上がっているのがテムジンの特徴です。
手延べの皮は薄めで柔らかめ。
焼き餃子にはひだを付けて、ふんわりと丸っこく包んでいます。
まずはタレを付けずにいただきます。
餡の味付けはさっぱり目なのですが、玉ねぎの甘みと牛肉の旨味がダイレクトに感じられます。
テムジンの餃子は野菜比率は高く玉ねぎが中心、肉には豚肉は使わずに牛肉をつかっているので、餡からとても特徴的な風味が感じられます。
味付けはシンプルなので専用の酢醤油ダレと柚子胡椒で味を調整して食べるのがオススメです。
柚子胡椒のピリッとした絡みと、専用ダレにちょっと足されている柑橘系の香りが、玉ねぎと牛肉ベースの餃子の美味しさを引き立ててくれます。
これは、ビールや焼酎のアテとして活きる餃子ですね。
小さめサイズで薄皮ふんわり包みの餃子なので、ニコイチにしても余裕で一口に収まります。
隣の餃子とくっついていたら、無理に剥がして穴をあけるともったいないので、ニコイチで食べることをオススメします。
これまで新宿やKITTE福岡など、いくつかの「テムジン」を訪問したことはありましたが、創業店でたべる餃子は一味違うように感じられました。
餡は同じ餡を使っているはずなのに不思議ですよね。