東京餃子通信編集長の塚田です。
浅草の未訪問の老舗餃子店があったのを思い出して夜の浅草へ。
浅草駅からは浅草寺を抜けて言問通りを越えたところにある千束通りの商店街に入り徒歩で15分ほど。
有名タイレストラン「ソンポーン」の並びに目的の餃子店「末っ子」があります。
「末っ子」は1959年創業、約60年の歴史をもつ老舗餃子店です。
店舗はリニューアルされてキレイですね。
メディアの取材などはほぼ受けないので、歴史が長い割にはあまり知られていない存在です。
お持ち帰りコーナーが大きくあるのは、良店によくある景色。
焼餃子は5個400円、生で購入すれば6個400円と1個お得です。
遅めの時間に行ったので、お客さんは私だけ。
ちなみに「末っ子」は、公式サイトによると閉店時間が決まっていません。
だいたい24時ぐらいまでは営業しているようです。
メニューには麺類や一品料理などもあるのですが「餃子」だけ別格扱い。
皮もあんこも 秘伝の手作り
こだわり続ける 本物の味
という魅力的なキャッチコピー付き。
また、餃子は焼き上がりに時間がかかるので麺類と一緒に食べたい場合は一言伝えれば対応してくれるとのこと。
この細かい気配りも嬉しいですね。
餃子は小さめとのことなので、餃子2人前と瓶ビールを注文。
焼き上がりまでの時間はビールで喉を潤しながら待ちます。
「末っ子」の餃子にかける「こころ意気」が紹介されていました。
まずは皮へのこだわり。
手延べで丁寧に作った皮に特徴は
ふかっとモチッと、そしてシャキッとした歯ごたえ
とのこと。
焼き餃子で、ここまで皮の食感にこだわっている餃子は貴重な存在。
餡は野菜7割・豚肉3割が黄金比なのだとか。
野菜はキャベツを中心にネギとニンニク。
ニンニクには特にこだわっている様子。
そして、豚肉は徹底的に練りこんで、野菜からは水気を搾り取るのが調理上のポイントなのだとか。
餃子にかける「こころ意気」を感心しながら読んでいる間に餃子は焼き上がりました。
丸いお皿にやや小さめの餃子が10個、きれいに整列しています。
まず最初に感心したのが焼き色の美しさ。
油をしっかりと敷いて、カリカリのよく焼きに仕上げています。
あと10秒ぐらい焼きを長くしてしまうと焦げ目がついてしまうギリギリのライン。
焼き色だけでなく、香ばしい香りがたまりません。
そして、末っ子こだわりの皮。
薄く伸ばしているのですが、しっとりもっちりとしたよく伸びそうな皮です。
この皮の質感は手延べならではですね。
焼き目はカリッとやや固め、皮はしっとりもちっとした柔らかい食感。
この両方の食感のコントラストがとても面白い。
そして皮の中には、豚肉と細かく刻まれた野菜が練りこまれ一体感のある餡が隠れています。
ニンニクも使われていますが、旨味を増している一方で嫌な臭みはほとんど感じません。
これはビールとの相性抜群。
麺類や定食のサイドメニューにするのはもったいない餃子です。
一つ一つ丁寧に手作りをしていることが伝わってきて、気持ちが温まる素晴らしい餃子でした。
この作り方で大量生産することは難しそうなので、一時的にお客さんが増えちゃうような取材を断っているというのにも納得。
引き続き知る人ぞ知る餃子店として、浅草のご近所の方に愛される店であり続けて欲しいですね。
末っ子 (餃子 / 浅草駅(つくばEXP)、入谷駅)
夜総合点★★★★★ 5.0