東京餃子通信編集長の塚田です。
和歌山県からの餃子レポートが続いていましたが、今回でいったん和歌山シリーズは終了です。
最後に訪れたのは和歌山最大の歓楽街アロチにある「アロチ珉明」。
これで「みんみん」と読みます。
全国どこにいってもも歓楽街には深夜まで出前対応している中華屋がありますが、その主の中華屋さんは餃子のレベルも高い傾向にあります。
また「みんみん」という店名も餃子の名店が多いですね。
これらの法則によると、この「アロチ珉明」はかなり期待が持てそうです。
深夜24時近くでしたが、まだまだ営業中。
営業時間は26時までだそうです。
店舗はL字型になっており、裏の通りにももう一つ入口があります。
電話番号が大きく書いてあり、出前を積極的に行っていることがわかります。
店内は手前にカウンター、奥にテーブル席。
カウンター席が禁煙席だったので、私はカウンター席に座りました。
この時間はお客さんは私以外には一組のみでしたが、その間も出前の注文は結構はいっていました。
お店の奥には創業59年の表示が大きく書いてあります。
店主さんによると、現店主のお父さんがアロチ近くで屋台で始めたお店を継いだとのこと。
現存するアロチ周辺の飲食店では一番古いお店の一つになるそうで、バブル崩壊後はかなりさびれてしまったと寂しそうにお話されていました。
ちなみに珉明の名前の由来を聞くと、「珉の字は、王偏に民。王様の味を庶民にも提供する」というようなお話をされていたので、おそらく大阪の珉珉にインスパイアされたのだと思われます。
メニューは中華相場と炒飯、餃子、唐揚げ、そしてはや寿司。
はや寿司は、この和歌山出張の間で一度も食べていなかったので、注文してみようと思ったのですが、残念ながらこの日は売り切れ。
お腹はだいぶ膨れていたので、ビールと餃子のみにすることにしました。
瓶ビールを飲みながら餃子の焼き上がりを待ちます。
餃子は、出前の配達から帰ってきた息子さんらしき男性が焼いてくれました。
先に調合済みの餃子のタレが渡されました。
ちょっと濃いめの酢醤油にラー油が足されています。
しばらくして餃子が焼き上がりました。
全く焼ムラもなく良い色に焼きあがっていますね。
薄めの皮をサクッと焼き上げています。
油多めの揚げ焼きではなく、鉄板にしっかり設置させているようです。
どれくらい皮が薄いかというと餡が肉の色も透けて見えるほど。
薄皮の餃子は取り扱いが難しいので、出前を頑張っている中華料理店で出されるのは珍しいです。
餡は豚肉比率高めです。
かといってジューシーさを追求するのではなく、豚肉の旨味を活かすタイプの餡です。
しっかりと水分を絞ったキャベツと一緒に良く練りこまれています。
餡の下味は控えめですが、生姜の香りが良く効いているので満足感はあります。
味の濃さは好みに合わせてタレをつける量を調整します。
個人的には最初は何もつけずに初めて、後半に向けて味を濃くしていくのをお勧めします。
ぱっと見は一般的な中華料理店の餃子ですが、焼き加減といい、皮の薄さといい、餡の仕上がりといい、バランスのとれた非常にレベルの高い餃子でした。
歓楽街での59年の歴史と「みんみん」の名前からくる高い期待値をさらに上回ってくれました。
次回も和歌山に泊まることがあれば、是非とも再訪したいと思います。