東京餃子通信編集長の塚田です。
前回は念願だった「江南」の訪問レポートを行いました。
タマネギ入りの一口餃子は、他ではなかなか出会えないタイプの餃子で美味しくいただきました。
せっかく名古屋に来たので、もう一軒ぐらい食べ歩いていこうと向かったのが今池。
この近辺も名古屋有数の歓楽街の一つらしいですね。
そして歓楽街には餃子の名店があるのは全国共通。
駅近くのスズラン通という商店街を入っていきます。
全国的に有名な台湾ラーメンの「味仙」がある通りの一つ裏の通りです。
街灯の看板を頼りに進んでいくとすぐにお店に到着します。
こちらが今池の老舗餃子専門店「百老亭」。
昭和30年ごろの創業らしいので、60年以上の歴史があります。
大須にも百老亭がありそちらの方が古かったらしいですが、そちらは昨年閉店になりました。
営業時間は17時から22時までと夜のみ営業。
こういう場所にある餃子専門店は、だいたい夜だけの営業ですね。
店内は細長いL字型のカウンター。
この日は18時ぐらいにお店に着いたのですが、ほぼ席は埋まっていました。
カウンターの奥の席に座りメニューをチェック。
餃子は鍋貼餃子(焼き餃子)と炊餃子(水餃子)、玉子スープ餃子、スープ餃子の4種類。
定番の鍋貼餃子ともう一品を悩んでいたのですが、隣のお客さんが食べていて美味しそうだったので玉子スープ餃子を追加でオーダーしました。
瓶ビールを飲みながらカウンター越しに職人さんが餃子を焼くのを眺める時間は最高ですね。
どんどん気分が盛り上がっていきます。
お通しには漬物。
塩気は強め、よく漬かっています。
餃子は鉄のフライパンを使ってオーダー毎に焼いているようです。
蓋は木蓋を使っています。
こういう道具の選択一つに老舗のこだわりを感じますよね。
しばらくして鍋貼餃子が焼き上がりました。
小さめの餃子が10個。
焼き面を伏せた状態で白いお皿に盛られてきました。
ヒダは2か所だけ、両側を止めてから真ん中を閉じるという変わった包み方です。
もっちり、しっとりした独特な食感の皮の仕上がりです。
その秘密はフライパンに大量の水を投入し、蒸すのではなく茹で上げてから焼き目をつけるという調理方法。
しっかりした強い皮じゃないとこの調理方法には耐えられないですね。
焼き面は油の量を最小限にして薄焼き気味に。
全体的に皮のモチモチした感じを残しています。
一口で頬張ると薄いながらも弾力のある皮の中からは、ふわっとした柔らかい食感の餡が。
豚肉にニラ、白菜、タマネギと野菜が多めの比率。
タマネギの甘味が印象的でした。
江南でもタマネギを使っていましたが、名古屋の餃子ではタマネギを使うことが多いのでしょうか。
ビールのお供ということで、ちょっと辛味を投入。
自家製っぽいラー油の唐辛子をタレに多めに投入。
このタレを餃子に絡ませて食べると、ピリ辛で旨味も増してかなりの味変。
何もつけずにそのまま食べる優しい餃子の味も良いですが、ビールのつまみにはこれくらいの強さがあった方が良いかも。
小さめの餃子なのでダブルでもいっちゃいます。
ダブルで食べると皮の弾力が強く感じられますね。
続いて玉子スープ餃子。
もやし、ニラ、白菜等の野菜と玉子がたっぷりのスープ。
皮は薄めなのですが、強さがあるので煮崩れしていません。
この皮はスープ餃子だとつるっとした食感になります。
玉子スープ餃子は飲んだ後の締めに食べたい一品ですね。
ラー油が美味しいので、後半は玉子スープにもラー油を投入。
スープも一気に味変。
これは旨い!
ピリ辛になったスープと餃子の相性も抜群でした。
飲みの前後に丁度良い、飲み屋街の餃子専門店として完璧な餃子たちでした。
長年、この地で愛されてきた理由がよく分かります。
「焼きそば名店探訪禄」によるとバリそば(かた焼きそば)も人気らしいので次回訪問時には、バリそばも食べてみたいと思います。