東京餃子通信編集長の塚田です。
餃界では年末恒例になっている餃子アドベントカレンダー。
今年もトリを務めさせていただくことになりました。
2021年は、コロナ禍の影響で食べ歩きの活動量は例年に比べれば落ちたものの、ヒルナンデスやマツコの知らない世界など再出演させていただいたり、偏愛食堂の運営に関わらせていただいたりと、楽しく餃活を行う事ができました。
これも読者の皆様の応援のおかげです。
ありがとうございました。
例年であれば今年の活動を振り返るような記事を書くのですが、今年は皆さんへのクリスマスプレゼントということで私が2021年に出会った餃子の中で最も印象に残ったとっておきの餃子をご紹介します。
そのお店に出会ったのは今年の10月後半。
こちらの餃子を食べた際の衝撃があまりにも大きかったため、しばらくどこのお店なのかは内緒にしてました。
記事を書くのがライフワークなので内緒にするなんて滅多に無いんです。
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ただ、こちらの情報も実は読者からタレコミで頂いたものだったので、このタイミングで皆さんにもご案内したいと思います。
今年最も私を驚かせてくれた餃子が食べられるお店は、西新宿五丁目にある「ラーメン山田屋」です。
蔦が絡まった建物とテント。
傾いた暖簾。
非常に年季の入ったいわゆる町中華店です。
山田屋という屋号は、かつては新宿を中心に都内に何店舗かありのれん会が形成されていたそうなのですが、今では西新宿五丁目と初台にもう一店舗あるのみの様です。
ガラスケースをチェックすると麺類や定番の中華メニューの他にもカツ丼やカレーライスなどもありました。
初回は週末の14時過ぎに来たので店内はガラガラでしたが、その後平日のランチタイムに来たときには外に行列ができていました。
地元で長年愛されてきた町中華店で、高齢の店主さんご夫婦お二人で切り盛りされています。
2016年には「きたな美味い店」にも出てたみたいですね。
テーブルや椅子や醤油差しなどもかなりの年代ものです。
ラー油は自家製っぽいですね。
この後、別の餃子屋さんに行く予定があったので、ビールと焼き餃子1人前を注文しました。
焼き餃子は一皿600円と、町中華店にしては強気の価格設定です。
そして今年私が最も印象に残った餃子がこちら。
一般的な餃子よりは少し大きめのサイズです。
焼きは餃子用の鉄鍋を使って強めに焼き色を付けてます。
まず驚いたのが皮の出来の良さ。
ご主人が手延べで作っているそうなのですが、モチモチっとした弾力と焼き面のサクッとした感じがちょうど良い。
そして餡の味付けと食感が素晴らしい。
下味はやや塩気強めで滅茶苦茶ジューシー。
粗挽きの豚肉とザクザクキャベツの食感と皮のモチモチ感のコントラストが素晴らしい。
そして自家製と思われるラー油と酢醤油を付けて食べても美味しいくいただけます。
皮作り、餡づくり、包み、焼きと、一切の妥協なく丁寧な仕事をしているのがわかります。
そして完成した餃子のバランスが絶妙なんです。
久しぶりに私の好みのど真ん中に剛速球を投げられた様な感覚でした。
初回訪問は後の予定のため餃子とビールのみで終わりましたが、色々な料理と組み合わせた山田屋の餃子の実力も見定めなくてはいけないと思い、その後一人で何度も足を運んでしまいました。
山田屋では、ラーメン、チャーハン、カレー「半メニュー」があるので、一度に複数メニューをちょっとずつ楽しむなんてこともできちゃうのですが、一人前ずつ検証をしてきました。
まず初回訪問の翌週にはチャーハンと半餃子。
半餃子であっても焼きの妥協なしです。
このチャーハンがまた濃いめの味付けのしっとり系チャーハンで美味い。
チャーハンとの相性も抜群でした。
ご飯ものとの相性の良さも確認できたので、別の日には麺類との相性チェックも行いました。
ラーメンは醤油ベースのシンプルな味。
ラーメンがあっさりした味なので、餃子が主役でラーメンがサイドメニューになるような感じでした。
カレーと半餃子の組み合わせも試しました。
これぞ中華屋のカレーというようなラーメンスープを感じさせるカレー。
カレーを餃子にチョイがけして食べても美味しかったです。
餃子の皮と餡が強いので、カレーの風味にも負けません。
カツ丼やちゃんぽんなどこの餃子との食べ合わせを検証してみたいメニューがまだまだあるので、来年も定期的に山田屋には通うつもりです。
店主さんがご高齢なのであと何年続けてもらえるかも心配な点でもあります。
誰もこの餃子の味を引き継ぐ人がいないようだったら私が弟子入りを志願してみたいですね。
そんな魅力的な餃子でした。
皆さんも機会があったら食べてみてください。
Merry Christmas and Happy New year!