東京餃子通信編集長の塚田です。
前々回のKUROMORIのレポートから引き続きの仙台からの餃子情報です。
仙台は東京から新幹線に乗ってしまえば90分で着いてしまうのですが、なかなか来る機会がなく数年ぶりの訪問。
これまで仙台の餃子を食べ歩きもあまりできていませんでした。
仙台の餃子といえば外せないのが「八仙」。
ということで仙台駅から少し離れた文化横丁にやってきました。
昭和な雰囲気の香る飲み屋が立ち並ぶ横丁です。
仙台駅からだと1kmぐらい歩きますが最寄り駅は地下鉄の青葉通一番町駅からはすぐのところ。
こちらが創業1953年(昭和28年)の「八仙」。
約70年間の歴史のある超老舗の餃子店です。
もともとは大衆居酒屋だったそうですが、そこで出していた餃子が人気になって業態が変わったそうでうす。
暖簾や看板には「餃子 元祖」の文字が刻まれています。
正に戦後から仙台の餃子文化を牽引してきた存在です。
店内に入ると一階のカウンター席に案内されました。
カウンターの目の前で女将さんが餃子を包んで焼いているのが見られる超特等席でした。
ちなみに二階には座敷の席もあるそうです。
電話での予約もできるようなので、訪問直前にでも電話を入れて席の空きは確認シておいたほうが良さそうです。
この日も開店直後を狙いましたが、私が入ったあとですぐに満席になっていました。
餃子は焼餃子、水餃子、蒸餃子と調理方法が3種類。
町中華っぽいメニューも取り揃えられています。
ビールは大手各社瓶ビールが揃っています。
文化横丁の看板にしたがって黒ラベルを選択。
グラスも八仙の名前が刻まれた黒ラベル用。
お通しのほうれ草のおひたしを食べながら餃子の焼き上がりを待ちます。
餃子は年季の入った鉄鍋と木蓋を使って焼き上げられます。
奥の厨房には中華料理や水餃子、蒸餃子を調理する別の料理人がいる様子ですが、焼きに関しては女将さんの担当。
餃子の焼き上がりが近づくと酢醤油をセットしてくれます。
そしてこちらが焼餃子。
1人前は8個というのが仙台流なのでしょうか。
薄皮でやや小さめの餃子をカリッと焼き上げています。
ちょうどよい焼き色。
熟練の技ですね。
餡はそれほど多くなく、薄皮でふんわりと包み込んでいます。
ヒダはかなり深めですね。
餡は豚肉比率高めなのですが全体としてはあっさり系。
野菜は白菜に加えて玉ねぎの甘みとニラの香りが感じられます。
ジューシーさをいたずらに狙わないシンプルに旨い餃子です。
酢醤油でお好みの味の濃さに調整しながらいただきました。
冬の仙台の寒さにはちょうどよい水餃子。
白菜と長ネギがたっぷりはいった塩味のスープで餃子が炊き込まれています。
スープの味が優しくて、とても身体が温まります。
塩味のスープで炊かれることで、餃子の表情も全く焼餃子とは異なります。
皮はつるんとした食感に、餡にも塩気がましてそのまま食べてちょうどよい味付けです。
飲んだ後の締めに食べたい感じの餃子ですね。
お店の雰囲気も、女将の佇まいも、出てくる餃子たちも、それを楽しむお客さんも、全てが素敵な餃子店でした。
仙台の戦後の歴史を感じながら食べる餃子はひと味地もふた味も違いますね。
次回は蒸餃子や餃子以外のメニューにも挑戦してみたいと思います。