今年の4月に技術者向けの情報サイト「日経テクノロジー」に掲載された「焼きギョーザの『新規性』と『進歩性』」という記事を覚えていますか?
東京餃子通信でも「焼きギョーザは日本の「発明」である」という記事で紹介させてもらいました。
この連載記事を書いている徐航明さんが、先日新しい記事「焼き餃子の新たな創造」を公開されました。
今回の記事の切り口が素晴らしかったのでご紹介します。
パリで人気の「GYOZA BAR」を事例にあげ、
こうした焼き餃子専門店を海外で成立させるには、が、焼き餃子の海外進出の必要条件だと論じています。
1.餃子作りのスピードと量を確保する
2.餃子職人に劣らない餃子の品質を実現する
といったことが不可欠だ。
餃子を見たことない現地の人を雇用して手作り餃子をつくるのはなかなか難しいでしょうからね。
そこで登場するのが東亜工業。浜松市に本社をおく餃子製造機専門メーカー。浜松が餃子消費量日本一になった背景には東亜工業の力があるとも言われている会社です。
東亜工業の製造機は浜松のみならず全国で使われており、そのシェアは60%とも言われています。
パリのGYOZA BARでも東亜工業製の餃子製造機がわざわざ持ち込まれているそうです。
一番人気の餃子製造機「餃子革命」に関して、テレビ東京の未来世紀ジパングで取り上げられていたので興味のある方はご覧ください。
店内にも置ける小型サイズが特徴です。こんな小さな機械で1時間1500個。
私が包むよりも全然速いです。
機械の紹介だけで終わらないのが徐さんの記事の面白いところ。特許の調査まで踏み込んで行きます。
実際に徐さんがしらべたところ、
餃子機器関連の特許は、多数存在する。2014年7月22日の時点では、「餃子」を「かんたん特許検索」(2005年以降)に入力すると、1191件がヒットした。とかなり多くの関連特許があるそうです。
もちろん東亜工業も特許を取得しており、「生餃子とその製造装置」は、
【課題】水餃子用の皮は厚く、水分を多く含んでいるが、茹でても合わせ目はこわばらずしかもほころびないこと。そしてしっかりしたすわり面があり、容箱にきちんと整列した生餃子と、その自動製造装置を得ることにある。といった課題を解決する特許として申請されているとのこと。
ポイントは、
- 茹でても合わせ目がこわばらずしかもほころびない
- すわり面がある
- きちんと整列
ですね。職人さんでもパカッと開いてしまう餃子を包む方がいるので、安定性という意味では機械に軍配が上がるかもしれないですね。
最後に、徐さんは、
GYOZAは、いつの日かピザやラーメンのような世界的な食になると筆者は予測している。
とまとめているが、これは私も全く同感。
餃子製造機は東亜工業さんにお任せするとして、餃子情報を世界にとどけるために東京餃子通信も少しでも貢献したいと思ってます。
まずは英語版の東京餃子通信も再開するところからですかね。