東京餃子通信編集長の塚田です。
日本の焼き餃子の歴史を調べていたところ面白い本に出会いました。
タイトルは『3度のメシより!? レバニラ炒め』、副題は「中華愛好家のための『ニッポン中華』辞典」。
冷やし中華を始めとして、ちゃんぽん、天津飯、中華丼にレバニラ炒め。
日本で進化した中華料理は数多くあります。
そんな日本独自に進化したニッポン中華とそれを支える町の中華料理店にフォーカスをあてた書籍です。石毛直道先生や四川料理の陳建一さん、際コーポレーションの中島社長など、豪華な顔ぶれも登場します。
もちろん焼き餃子もニッポン中華の代表格です。
餃子に関しても、渋谷の珉珉からつながる大阪珉珉の誕生秘話や、野毛の萬里の話など、日本の焼き餃子の歴史を振り返る貴重な情報の数々が掲載されていました。
面白すぎて一気に読んでしまいました。
さてこの日は本の影響で無性にニッポン中華の焼き餃子が食べたくなったので、神保町の成光で夕飯を食べることにしました。
成光は創業が昭和20年代の老舗の中華店です。
数年前にリニューアルを行ったので外観や看板は非常にきれいいになりました。
しかし、ご覧のとおり、赤い看板に、赤ちょうちん、雷文入りの暖簾と、リニューアル後の雰囲気もニッポン中華のスタイルをそのまま残しています。
店内もとてもきれいになっていますが、テーブルは朱色でカウンターから厨房が見える作りと、こちらも町の中華屋の基本を忠実に守っています。
代替わり、そして店舗改装を経て、今もなおニッポン中華を継承が成功した良い例だと思います。
前置きが長くなりましたが、とにかく餃子とレバニラが食べたかったというだけの話。
餃子はなんだかんだで調理時間がかかるので、先にレバニラがやってきました。
ちょっと濃いめで、これぞ高度経済成長を支えたニッポン中華といった味付けです。
モヤシのシャキシャキ感がのこった、絶妙ないため具合です。
写真を取り忘れてしまいましたが、瓶ビールで一人で乾杯。
ニッポン中華には、瓶ビールが似合います。
レバニラを頬張っていると、餃子の焼き上がる音が聞こえてきました。
「きっとあれが私の餃子」だとか想像しながら、カウンター越しに聞く調理の音もニッポン中華の楽しみ方の一つ。
待ちに待った焼き餃子がやってきました。
焼き目はほぼ均一にそろっていて美しい。
極薄の皮は蒸し加減、焼き加減が難しいですよね。
特に一旦冷凍していると難易度が上がりますが、成光の餃子は焼き加減がすばらしい。
薄皮の餃子を上手に焼いているので、焼き目はパリッとした食感でそれ以外は皮の存在感がうまい具合に消えています。
餡の味と食感を楽しみましょう。
サッパリ系の味付けで、キャベツとネギのシャキッとした食感がしっかりと残っています。
レバニラのモヤシもシャキシャキ、餃子の餡もシャキシャキ。
火加減が上手なんでしょうね。
ニッポン中華、そして日本の焼き餃子を発展させて来た町の中華屋さんは、跡継ぎ問題やラーメン店との競争で、急速に減少傾向にあるそうです。
『3度のメシより!? レバニラ炒め』が発刊されたのが2004年ですから、そこから10年でさらにその傾向は強くなっているのではないかと思います。
成光のように昔ながらの餃子とニッポン中華を次代につなげてくれるお店が多く残って欲しいので、東京餃子通信では積極的に町の中華屋さんを応援したいですね。
ニッポン中華について深く知りたい方は、是非『3度のメシより!? レバニラ炒め』もご覧ください。
10年前の本ですが、超オススメです。
東京餃子通信では、皆さんからの餃子情報をお待ちしております!
餃子はニッポン中華だ『3度のメシより!? レバニラ炒め』
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