東京餃子通信編集長の塚田です。
東京餃子通信の読者の方に聞くのも愚問ですが、皆さん焼き餃子は好きですよね?
しかし「なぜ焼き餃子が好きなのか?」と聞かれるとぱっと答えるのは難しいのではないでしょうか。
「昔から好きだから」「なんとなく」「おいしいから」
そんな答えが並ぶのではないでしょうか。
そこには、根源的に焼き餃子には日本人が好む要素が含まれているのです。
「なぜ日本人は焼き餃子に惹かれるのか?」という疑問に科学的に解説を加えるといいう番組が先週の日曜日に放送されました。
NHKスペシャルとかのドキュメンタリー番組ではなく、日テレで日曜日の午後に放送された「ぐるめぐり ~見ると美味しくなる!食ヒストリー~」というバラエティ番組です。
餃子の歴史をや科学を勉強してから、みんな餃子を食べるという一風変わった構成の食番組でしたが、内容はなかなか濃いものではありました。
前半は、歴史のお話で水餃子として渡ってきた餃子が焼き餃子として日本に浸透していく歴史を解説。
こちらはそれほど目新しい話はなかったので割愛します。
そして後半の「なぜ日本人は焼き餃子に惹かれるのか?」の科学検証に関しては、わざわざ3人の有識者を招聘しての解説を行っています。
なかなか手が込んでますよね。
最初に登場したのは工学院大学の山田教授。
香りの研究を行っている研究者とのことです。
山田教授の説によると、餃子を焼いた際のメイラード反応により50種類のにおい物質が発生し、その多くが日本人が好むにおいなのだという。
醤油や味噌、鰹節などから発せられるにおい物質に近いものだというのが興味深かったです。
共通して日本人が好むものですよね。
食べる前に焼きのにおいで、すでに日本人は惹きつけられていたのですね。
続いて登場したのが日本音響研究所の鈴木さん。
音の研究者です。
鈴木さんの説明によると餃子の焼き音、特に蒸らし用のお湯をいれた際の「ジャー」という音に秘密があるとのこと。
このジャーという音が海の波の音に似ているとのこと。
生命の源である海。そして癒しの力をあたえてくれる海。
餃子の焼き音を聞いているとそんな海を思い出すのだそうです。
餃子の焼き音は周りを海で囲まれてきて生活をしてきた日本人が特に好む音だったのですね。
ラストは食感の専門家の登場。
香川大学の山野名誉教授の登場です。
山野教授が食感を科学的に分析するための装置をつかって餃子を計測したところ、餃子はパリパリ感、もちもち感、ジューシー感という食感の要素をバランス良く持っているということがわかりました。
この食感のバランスに近いのはおにぎりや手巻き寿司があるそうです。
またまた日本人が好きな食べ物との共通点が見つかりました。
私も餃子は食感重視でありますが、パリっ、モチっ、ジュワーのバランスは日本人が根源的に好きなパターンだったのですね。
少々強引な展開ではありますしたが、なかなか興味深い分析ではありました。
におい、音、食感という味覚以外の要素がポイントでした。
もちろん味も日本人好みなのだと思いますが。
本来日本人が好きなものが焼き餃子に詰まっているということが科学的にも明らかになったのは嬉しいですね。
YuoTubeでも番組の動画が公開されてたので、興味のある方はご覧になってみてください。