東京餃子通信編集長の塚田です。
中国料理の金メダリストが作る餃子の店があると聞いて、乃木坂までやってきました。
乃木坂駅の青山墓地側の改札を出て、青山一丁目方面に歩くと「餃子」とだけ書いてある看板が見つかりました。
おそらくこちらが今回の目的地なのですが、本当に金メダリストがいるのか不安になる看板。
餃子の看板の路地を入っていくと、ポツンと一軒だけお店があります。
横浜中華街に急増殖している世界チャンピオンとは異なり、かなり大人しくひっそりとした佇まい。
暖簾をくぐり店内に入ると、店主さんが笑顔で出迎えてくれます。
この方がおそらく金メダリストのようです。
席はカウンターとテーブル席が一つだけと広くはありませんが、ここを店主さん一人で切り盛りをしているようです。
メニューは多くはないのですが、どれも美味しそう.
この日は6人集まったのであれこれ食べられます。
悩んだ結果、餃子を多めであとは店主にお任せでお願いしました。
餃子は焼き餃子と水餃子の2種類があるようです。
まずはビールで乾杯。
餃子にはやはりビールですね。
お通しに出てきたのは、にんにくがガッツリ効いている白菜の漬物。
これ美味しい。
ビールに合いますよ。
続いてピリ辛のザーサイ。
これもビールに合う。
さらに唐辛子入りパクチーサラダが出てきました。
ネギ、水菜と混ぜあわさっています。
これもビールが進む。
餃子が出てくる前にビールをお代わり。
そしてお待ちかねの焼き餃子の登場です。
むっちりした手延べの皮であることは見た目だけでわかりますね。
モチモチ感を残すために敢えての薄焼きか?
辣油も自家製とのこと。
香りがしっかりしています。
柔らかめでむっちりした手延皮です。
醤油を付けないとわからないぐらい細かいヒダ
まさに職人技ですね。
この皮であれば、ヒダを作らずとも圧着はできると思いますが、ヒダをつけることで美しい形状に仕上げています。三日月型にすることで底面広くとっています。
豚肉餡も柔らかめの食感で、味付けも優しい。
食感も味わいも非常に柔らかいふわっとした感じの餃子です。
次の水餃子は羊肉ということなので、ビールから赤ワインに変更します。
ラム肉の水餃子がやってきました。
こちらももちろん手延べ皮。
こちらは黒酢ベースのタレで食べることを勧められます。
もちろん自家製ラー油入り。
包み方は焼き餃子とは異なります。
水餃子の場合は底面を作る必要がないので、この包み方で良いのでしょう。
やや小柄な水餃子を一口で頬張ると、口の中にブワっと羊の香りが広がります。
これは美味しい。
これまで食べてきた羊肉餃子の中でトップクラスの味。
中国料理の金メダリストなのに、餃子で勝負をしようと思ったのも納得です。
羊肉水餃子に続いて、羊肉の炒め物が登場しました。
クミン、コリアンダー等のスパイスが程よく使われていて、羊肉の香りはあまり気になりません。
羊肉好きにはちょっと物足りないぐらい美味な仕上がりです。
羊肉の次に出てきたのがナスの炒めもの。
ニンニクがガッツリ効いていています。
お酒がどんどん進みます。
締めは、店主の自信作タラコと貝柱のあんかけそば。
麺は冷たく、餡は暖かい。
あっさりしていて締めの麺として絶妙です。
お腹いっぱいだと思っていたのですが、ツルツルっと食べてしまいました。
ところで、肝心の金メダルの話を店主に聞いたところ、2012年にシンガポールで開催された中国料理世界コンクールで、チーム戦、個人戦ともに金賞を獲得したとのこと。
この大会はオリンピックのように4年に1度の開催。
次回はオランダで開催されるのですが、すでに日本代表として内定しているとのことでした。
金メダルはなぜかお手洗いの前に飾ってありました。
7ht World Championship of Chinese Cuisine SINGAPORE 2012
GOLD AWARD
品川祐司
と書かれた賞状も飾ってありました。
大事にしているのか、していないのか、アピールしたいのかしたくないのか、よくわかりませんがホンモノでした。
店主に金メダリストなのになぜこんな場所で店を開いたのか聞いたところ、
「わざわざ来てくれるお客さん向けのお店を開きたかった」
と男前な回答。
餃子店では珍しい隠れ家的に使えるお店なのであまり人気出すぎると困るのですが、結局記事に書いてしましました。
東京餃子通信では、皆さんからの餃子情報をお待ちしております!