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餃子の聖地蒲田で羽根付き餃子御三家本店を巡る食べ歩き(你好、金春、歓迎、番外編)

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東京餃子通信編集長の塚田です。

先日、蒲田餃子食べ歩きツアーを行いました。蒲田は羽根付き餃子が誕生した餃界の聖地的存在の場所の一つ。今回は、蒲田餃子の中でも特に人気の、你好、金春、歓迎の通称「蒲田餃子御三家」を食べ歩きたいと思います。

 

 

実は、金春も歓迎も你好の創業者である八木功さんさんの親族が経営をしている姉妹店なのです。元の羽根付き餃子のレシピは同じですが、そこからそれぞれの餃子が進化しているため味は異なります

御三家のそれぞれの本店を巡る事で、羽根付き餃子の味の違いを見極めたいと思います。

 

元祖羽根付き餃子の店「你好」

まずは你好本店。1983年創業の你好は羽根付き餃子の元祖ともいうべきお店です。中国残留孤児だった創業者の八木功さんが、大連料理の羽根付きの焼きまんじゅうをヒントに羽根付き餃子を考案。

以来、羽根付き餃子の代名詞として蒲田を中心に都内に10店舗以上展開する繁盛店に成長しました。八木さんは今でも毎日休みなく厨房に立たれているというから恐れ入ります。

開店時間の11時30分のちょっと前に到着したのですが、既にお店は開いてました。
この辺の適当さも蒲田ならでは。




蒲田の羽根つき焼餃子はなぜかどの店に言っても300円なのですが、你好が開店したときに300円にしたのが今でも守られているようです。

今回はせっかくの食べ歩きなので、普段あまり手を出さない羽根つき餃子以外にも手を出したいと思います。

鍋貼(羽根つき焼餃子)、大蒸餃子(ジャンボ蒸餃子)、蝦春巻(海老スティック春巻き)を注文しました。



まずは鍋貼。さすが元祖羽根つき焼餃子。美しい羽根ですね。羽根はカリカリ、手延べの皮はモッチリ。カリカリモチモチの食感を同時に楽しめるのが羽根付き餃子の魅力です。


皮の中からはジューシーな肉汁が飛び出てきます。餡は豚肉とキャベツ、長ネギとシンプルな具材なのですが旨味が出てますね。ニンニクを使うと餃子の味がわかりにくくなるということで、ニンニクは使っていません。



次は餃子ではないのですが、海老春巻き。スティック状になっていておつまみに最高。
サクサクした皮の中にプリプリの海老が入っています。



最後にやって来たのは、ジャンボ蒸し餃子。
これを食べたのは私も初めて。たしかにデカイですね。

餡は野菜中心でサッパリ味。蒸し餃子ですが、餃子ダレは付けた方が良いですね。
皮がモチモチしてて美味しかったです。



まだまだ食べたいところなのですが、今回は蒲田羽根付き餃子御三家食べ歩き。

次のお店が待っています。

ここでオーダーをストップして次のお店「金春」に向かいます。

 

次の目的地「金春」を目指します。

食べ応えNo.1の羽根付き餃子「金春」

你好の次の目的地「金春本館」は京浜蒲田商店街のアーケード街の中にあります。
京急蒲田駅西口からは徒歩2〜3分。

金春は你好の八木さんの弟さんが経営をしているお店です。とても派手な店構えなのですぐに分かると思います。

入口では店員さんが、器用な手つきで餃子の皮を伸ばしています。

 

まだ2件目なので食べ歩きツアーのメンバーのお腹にはまだまだ余裕があるため、少々攻めた注文をしていきたいと思います。

まずは主役の鍋貼(焼き餃子)。そしてベーシックな三鮮水餃子、さらには金春で私一押しのニラ釜揚げ桜えび入り餃子を注文しました。




まずは鍋貼。羽根は小さめですがカリカリに焼きあがっています。

皮の中には餡がパンパンに詰まっていて存在感たっぷり。味付けも你好よりもやや濃いめで、餡の量も多いので食べ応えがあります。

餡の具材にはキャベツの代わりに白菜を使っていて酸味が感じられるのも特徴です。金春の餃子もニンニクは使っていません。




続いて三鮮水餃子。皮は手延べならではのモチモチ触感。餃子の皮は焼くよりも茹でた方がモチモチ感が増しますね。

三鮮餃子の三鮮は海老、豚肉、野菜を表します。とってもジューシーでうま味もしっかりしています。羽根付き餃子同様にかなり食べ応えがあります。



次に来たのはニラ釜揚げ桜えび入り餃子。

まずこの大きさに参加者の皆さんから驚きの声が。通常の餃子の3倍ぐらいありそうなサイズ。さらに両面に焼き目をつけ、羽根も生えています。

ニラと炒り卵がベースの餡に桜えびが入っています。ニラと卵の餃子は個人的には一押しの餃子の具材の一つなのですが、仕込みが大変な割には数がでないので、なかなか食べられるお店が多くはありません。ここ金春ではレギュラーメニューとして置いてあるのがうれしいですね。




店内を見回すとメニューには載っていなかった「牛肉小龍包」の張り紙を発見。
小龍包といえば普通は豚肉。

参加メンバーのお腹もまだまだ余裕があるようだったので追加注文しました。

10分ぐらいまって、牛肉小龍包の登場。
肉の臭みを消す為なのか、大量の生姜が入っていて超サッパリした味付け。

これはこれで美味しかったのですが、小龍包は牛肉よりも豚肉の方が合うということを再認識しました。




2軒目で大分お腹も満たされてきましたが、ツアーメンバーは最終目的地「歓迎」を目指して金春を後にしました。

 

御三家唯一のニラ入り羽根付き餃子「歓迎」


你好、金春と蒲田の御三家を食べ歩いてきたツアー一行は最後の目的地の「歓迎」にやってきました。

歓迎はJR蒲田駅から徒歩五分ほどの大田区生活センターの1階というちょっと変わった立地にあります。

広めの店内はほぼ満席。やはり人気ありますね。

豊富な点心メニューの中から我々が選んだのは、鍋貼(焼き餃子)、鮮肉水餃(豚肉入り水餃子)、水煎包(ミニ焼き肉まん)の3品。

定番系の餃子たちに今回初チャレンジの焼き肉まんを入れてみました。



まずは、定番の焼き餃子。

注文が通るか通らないかのタイミングで速攻で運ばれて来ました。
ほぼ全てのお客さんが注文するので焼き続けているようです。

飴色にてかりを放つ羽根がきれいですね。你好や金春の羽根はカリっとした食感でしたが、歓迎の羽根はパリッとした感じ。

餡は生姜とニラがかなり効いていて、他の2店とはかなり異なる進化をしています。

餡の味付けの印象では歓迎が一番インパクトがあありますね。





続いて水餃子。
もっちもちの皮の中に生姜風味のジューシーな豚肉餡が詰まってます。餡の味付けが非常に深いのですが、その秘密は餡に練りこんだ各種生薬をブレンドしたスープにあります。

焼餃子もおいしいのですが、水餃子はさらにオススメしたい一品です。



歓迎では特製の餃子ダレが用意をされています。こちらが水餃子によく合います。

ニンニクがたっぷり入った餃子ダレは、とろっとした粘り気があります。餃子の餡にはニンニクが入っていないので、ニンニク風味が欲しいときは是非お試しください。


最後にやってきたのがミニ焼き肉まん。

これが八木さんがヒントにした大連の焼きまんじゅうだと思われます。

肉まんの底に立派な羽根が付いてます。肉まんを焼くというだけでも珍しいですが大連ではポピュラーな食べ物のようです。




肉まんのふわふわした皮とパリパリの皮のコントラストがとてもおもしろい。
肉まん自体は、一般的な肉まんと大差はないのですが、焼いて羽根をつけるだけで全く違う料理になりますね。



你好、金春、歓迎の御三家を食べ歩きお腹が満たされたかと思いきや、まだまだ胃袋に余裕がありそうなメンバー達。

というわけで、急遽食べ歩きツアーにもう一軒追加をすることになりました。


 大森にある羽根付き餃子の名店「大連」

蒲田餃子御三家食べ歩きツアーの一行は御三家を全て食べ歩いたにも関わらずまだ餃子が食べ足りないと言うので、急遽4店舗目を目指しました。

一行が向かった先は「大森」。蒲田ではなくお隣の駅「大森」です。

大森は蒲田、川崎の影に隠れて目立ちませんが、実は餃子の有名店が多数集まる餃子激戦地の一つ。

蒲田の羽根餃子文化を受け入れつつ、独自の進化を見せています。



そんな中から今回選ばれたのは大連。

大連は駅から少し離れた山王小学校の裏当たりにある小さな中華料理屋なのですが、テレビや雑誌などでもちょくちょく取り上げられる羽根付き餃子の有名店です。

実は「大連」の創業者である先代のご主人も八木さんの弟にあたる方です。




今回は定番の焼餃子とワンタン風茹で餃子と激辛蒸し餃子を注文しました。

焼餃子以外は御三家で頼んだ注文とも被らない絶妙のオーダーです。



まず最初にやって来たのは焼餃子。


羽根が付いていますが、餃子の皮や包み方、羽根の付き方が明らかに蒲田御三家のそれとは異なります。蒲田から離れることでさらに独自進化をしているのかもしれません。

カリカリの羽根と薄めの皮に包まれた餡は豚肉感が強くかなりジューシー。餡の味付けも濃いめです。

比べてみると味付けも蒲田の餃子とは異なります。餡に白菜が使われていてジューシーなので、あえて言うのであれば金春が一番近いかもしれません。



次はワンタン風茹で餃子。

ワンタン風というだけあって、モチモチ水餃子ではなく薄皮でつるっとした皮にしているのが特徴的。のど越しのよい水餃子です。



最後に来たのは激辛蒸し餃子。こちらは初体験。
こういうメニューにチャレンジできるのも食べ歩きツアーの醍醐味です。

皮の中からラー油の様な赤い液体がしみ出て来ているのが分かります。

餡は普通の豚肉ベースの餡なのですが、かなり唐辛子が効いています。
熱々の状態のモノを口に入れるのはとても危険。

辛いんだか熱いのだかよくわからなくなります。

結果的にこの激辛餃子が今回のツアーの締めの餃子になりました。
口の中が辛くなってしまったので、この後に別の餃子をたべても味の細かい違いが分からなくなっていたかもしれませんので、結果オーライだったのかもしれませんね。



蒲田の你好から始まった今回の食べ歩きツアーですが、4件目の大連を後にしたのが14時過ぎ。

蒲田も、大森も休日でも昼休憩を取る店が多いので、今回のツアーはここで打ち止めです。お腹もいっぱいになったのでお店が開いていたとしてもここで終了だったと思います。

 

同日に蒲田の羽根付き餃子を食べ比べするという事も、ましてや大森と比較するなんて事は私も初めての体験だったのでとても面白かったです。食べ比べをしてみるとそれぞれ具材や味付け、羽根の食感が異なることがよくわかります。


こういう企画は楽しいので、また別の場所でも食べ歩きツアー実施したい思います。

リクエストがあればぜひご連絡ください!