東京餃子通信編集長の塚田です。
今年の正月明けの1月4日に餃子難民になりかけ、出鼻をくじかけた田園都市線の高津駅。
あらためてリベンジのために高津駅を降り立ちました。
前回は外観だけ見て帰る事になってしまった「しくよろ亭」。
この日は「手のし餃子」の看板が煌々と光っています。お店は開いている様子。
お店の前にはメニューとともに「餃子とび出し注意」の注意書きが出されています。
とび出し注意とはどういうことでしょう??
お店の入り口にはさらに「飛び出し注意」の表札が掲示されています。
そこにはさらに詳細な説明書きがありました。
餃子の中から熱々のスープが飛び出すことがありますのでご注意ください!
ということらしいです。
小籠包のような餃子のようですね。
扉を開けるとカウンターのみのかなりこじんまりとした作りのお店です。
先客は1名のみだったので、無事席につくことができました。
あらためてメニューをチェックすると餃子は、
- 焼餃子
- 水餃子(豚肉と白菜)シイタケ入り
- 水餃子(豚肉と白菜)セロリ入り
- 揚げ餃子
- オープンギョーザ
の5種類。
餃子の調理方法ごとに皮も餡も変えているというのだから恐れ入ります。
こだわりの餃子を全て食べてみたかったのですが、この日は実は2軒目だったのでお腹にはあまり余裕がなく、泣く泣くここからオーダーを絞り込むことにしました。
定番の焼餃子はほろ酔いセットというセットメニューがあったので無条件で当選。
オープンギョーザはいわゆる餃子ピザなので今回はパスすることにしました。
水餃子と揚げ餃子を散々悩んだ挙句、揚げ餃子を選択。
揚げ餃子用に専用の餃子を作っているお店は珍しいので、最終的にはそこに惹かれてしまいました。
オーダー後はほろ酔いセットのビールで餃子の焼き上がりを待つことに。
手延べの厚めの皮なので焼き時間が少々かかるようです。
まず焼き餃子の登場。
焼き加減はきつね色でカリッとした良い感じ。
ただ真ん中部分が大きく白く残ってしまっているのはやや残念なところではあります。
皮のサイズは一般的なものだと思いますが、手延べ皮の伸びる特徴を生かしてたっぷりの餡を包んでいるので、箸で持ち上げるとずっしりとした重さを感じます。
ヒダの並びがとにかく美しい。
これもたくさんの餡を包むための重要なテクニックです。
ご主人の腕前はかなりのものですね。
「飛び出し注意」の看板に偽りなく、かぶりつくと皮の中からは小籠包の様にスープが飛び出します。
餡は良質な豚肉とキャベツ、ニラといったオーソドックスなもの。スープも脂っこくないのでラードなどではなく、おそらく鶏ガラベースのスープを餡に練りこんでいるのだと思います。
お酢9:醤油1程度の超薄めの酢醤油に辣油をちょい足ししたタレで味を調整。
先ほどは餡を確認するために二口で食べましたが、中のスープを逃さず食べることを考えると一口で食べるのが正解。
火傷の危険は伴いますが、全てを一口で行くのが一番美味しい食べ方だと思います。
続いて揚げ餃子が出てきました。こちらは4個で400円。
焼餃子や水餃子よりもやや割高な価格設定です。
揚げ餃子は、一度茹でてから揚げるため焼餃子よりもさらに調理時間と手間がかかるのでそれが反映されているのかもしれません。
揚げ餃子にはヒダがありません。
おそらくヒダを重ねた部分が硬くなってしまうのでそれを回避しているのだと思われます。
皮の食感は表面がサクッとしていてそのあとにふんわりとした軽めの食感が感じられます。
実は揚げ餃子は水餃子以上に使う皮によって食感に差がでてしまいます。
揚げ餃子も「飛び出し注意」のスープは飛び出してきますが、餡の具材は焼餃子とは異なります。
ニラは使わずに、味付けもコショウなどの香辛料を強めに使っていました。
焼餃子も美味しかったですが、しくよろ亭の揚げ餃子はさらにその上をいきますね。
揚げ餃子としてここまで仕上げられた餃子はとても貴重な存在ですよ。
焼餃子と揚げ餃子ともに、店主の餃子への愛情とこだわりが詰め込まれた素晴らしい餃子でした。
近いうちに水餃子の実力も確かめるために再訪したいと思います。