東京餃子通信編集長の塚田です。
神田で目的の餃子店が定休日だったので、一人で夕飯を食べられそうなお店を探索していると「カープソース」の幟を発見。「花子」という広島に本店のあるお好み焼き専門店のようです。
カープソースはその名から想像がつく通り広島のお好み焼きには欠かせないソース。今や全国区の認知度となったオタフクソースと並び、広島県民に愛されているソースです。製造もとは創業明治2年の毛利醸造。
実は私は餃子と並んでお好み焼きが好物。特に高校の修学旅行で訪れた広島で現地のお好み焼きの美味しさに感動し、しばらくの間は餃子以上にはまっていたこともあります。
幟の裏にある看板を見るとなんとお好み焼きとならんで餃子も推しのメニューの様子。
これは入るしかないですね。
階段を上っていくと広島カープのユニフォームを着た赤い置物がお出迎え。55番だからエルドレッドでしょうか。
店の奥の方には鉄板があり、鉄板前の特等席であるカウンターは常連客と思われるお客さんで埋まっていました。
私は一人だったのですが4人掛けのテーブル席をゆったりと使わせていただきました。
メニューも赤で統一されていて、カープ愛を感じます。
ドリンクは広島の日本酒なども取り揃えられていて魅力的ではあったのですが、外は暑くごくごく飲みたい気分だったのでメガハイボールを注文。
そしてお好み焼き!
国泰寺焼きという「花子」オリジナルのお好み焼きがありました。
なんでも麺をお好み焼きの外側に持ってきてバリバリに焼き上げるのが特徴なのだとか。豚肉もバラ肉ではなく豚トロを使っているそうです。
定番のお好み焼きもありましたが、せっかくなのでオリジナルの国泰寺焼きに挑戦することにしました。
餃子を探すと鉄板料理メニューの中で発見。
ハンバーグやステーキなど肉料理と一緒に掲載されていました。
餃子もフライパンではなくお好み焼きと同じ鉄板で焼くようです。
もう一つ「がんす」という聞きなれないメニューが気になったので店員さんに尋ねてみると、魚の白身をすりつぶしパン粉をつけて揚げたもので広島名物の一つということ。
こちらも合わせて注文しました。
しばらくするとその「がんす」が登場。
これは旨そう!
生姜醤油をつけていただきます。
熱々でサクッとしたパン粉の衣の下にはふわトロの白身魚のすり身が隠れています。
これはおつまみに良いですね。
続いて餃子が登場。
一口サイズの小ぶりな餃子が8個お皿に盛られています。
ころっとした丸みを帯びた形が可愛らしいですね。
焼きムラも全くなく、素晴らしい焼き加減。
お好み焼き用の厚めの鉄板は餃子を焼くのにも適しているのかもしれません。
薄めの皮を使い丸っこくひだを中央に寄せるように包んでいます。
餡の具材は豚肉とニラが中心。
「ニラ餃子」というネーミングだけあって、ニラの印象が非常に強い餃子です。
味付けは控えめで、豚肉とニラの風味を引き立てるような仕上がりです。
お好み焼き専門店が片手間で作っているのかと思いきや、想像をはるかに超えるレベルの餃子が出てきて良い意味で期待を裏切られました。
専用の餃子ダレも用意されています。
ポン酢醤油がベースにラー油が足され、ネギが散らされていました。
このタレをたっぷりとつけていただくと餃子の味がかなり変わります。
爽やかな香りと酸味、そしてネギの辛みが良いアクセントになっています。
締めは国泰寺焼きです。
大きな鉄板に乗った状態で運ばれてきます。
生地の上にキャベツが積層されているところは一般的な広島のお好み焼きと一緒なのですが、 表面が卵ではなく焼きそばでカリカリになるまで焼き上げられています。
表面のカリカリっとした麺と内側のしっとりした麺、その下に積載されたキャベツ、そして全てを覆うカープソース。これまで味わったことのないタイプのお好み焼きです。
カリカリとしっとりのコントラストは餃子の皮と餡関係にも通じるものを感じました。
偶然見つけた店頭の看板に魅かれて入店しましたが、餃子もお好み焼きも期待をはるかに超える実力で大満足。
とても楽しめたので帰宅後に調べてみると、実は「花子」の飯田橋店はミシュランガイドのビブグルマンを取得している実力店でした。さすがミシュラン!その調査能力に脱帽です。
次回は飯田橋店にも訪れてみたいですね。
鉄板焼お好み焼 花子 (お好み焼き / 神田駅、淡路町駅、小川町駅)
夜総合点★★★★★ 5.0