東京餃子通信編集長の塚田です。
9月28日に味坊集団が新たに点心専門店「宝味八萬」を代々木八幡駅前にオープンしました。
味坊集団の新店舗とあれば行かないわけにはいきません。
先日、友人と数人で「宝味八萬」を訪れました。
お店の場所は代々木八幡駅の階段を下りた目の前。
点心のテイクアウトもできるようです。
看板の「宝味八萬」の文字は、点心の皮を延ばす麺棒を組み合わせて書かれています。
おしゃれですね~。
店内にはいるとガラス越しに点心を包んでいる様子が見られます。
ちょうど焼売を包んでいるところでした。
オーナーの梁さんがメニューを紹介してくれました。
「宝味八萬」では、お店で作りたての点心を出すのがこだわりで、前の日に作った点心や冷凍した点心は使わないとのこと。
野菜も埼玉県と茨城県にある「味坊農園」で旬のものを使うというこだわり。
まずは羊香トマトハイで乾杯。
トマトの酎ハイに羊を焼くときに使う香辛料が足されていて、クセになる風味のお酒です。
これは味坊集団の他の店でも出してほしいですね。
気になる点心類を注文し、前菜には干し豆腐の冷菜を選択。
中国東北料理の定番のおつまみですね。
もう一品前菜に選んだのが広東叉焼。
表面はカリっと香ばしく焼けていて、味付けは濃いめ。
お酒が進む叉焼です。
ここから点心類のラッシュ。
先ほど入口のところで包んでいた海鮮焼賣。
かん水を使った黄色い皮で餡をたっぷり包んでいます。
海老とシイタケの旨味がしっかりしてます。
色も皮の黄色とクコの実の赤が映えますね。
五目上素春巻はサクッとした焼き上がり。
素春巻ということで野菜の春巻き。
野菜のおいしさが十分に楽しめます。
えびの腸粉。
ぷりぷりっとした海老の食感と皮のつるんとした感じが印象的でした。
ここからは餃子類が続きます。
広東点心の定番中の定番の蝦餃から。
丁寧に作られてますね。
海老の甘味が口の中にふわっと広がります。
こちらも定番のふかひれ餃子。
梁さんの説明によると青森産のふかひれが使われているとのこと。
ふかひれというと宮城県のイメージが強いですが、青森でも良質なふかひれが作られているそうです。
そして、この日食べた点心類の中で私のイチオシだったのがこちらの精進春菊餃。
緑色の皮に包まれた蒸し餃子です。
エメラルドやヒスイのような美しいグリーンですね。
蒸し餃子は焼餃子や茹で餃子に比べて、皮の色が鮮やかに出るのも特徴の一つなので、カラフルな餃子が出てくるとうれしいです。
そしてこの精進春菊餃、餡の具材はほぼ春菊のみ。
「味坊農園」で栽培された春菊を使っていて、ものすごく味わい深い餃子に仕上がっています。
春菊のほろ苦い感じが、ものすごく活かされている大人向けの餃子です。
ここで餃子はいったん落ち着いて上湯雲吞の登場。
プリっとした海老の入った雲吞。
皮もしっかりしていて食べ応えがあります。
水餃子と雲吞ってほとんど差がないので、餃子を食べ続けているのと変わらないですね。
「宝味八萬」は広東点心の専門店ではあるのですが、実は焼き餃子もあるのです。
メニュー名は広東鍋煎餃。
広東風の鍋で焼いた餃子ですね。
油をたっぷりつかってカリっと焼き上げられています。
驚くべきはこのひだの数。
点心師の腕の見せ所ですね。
一つの餃子に13個以上のひだが刻まれていました。
これは蝦餃でひだを細かく刻むテクニックが活かされているのかもしれないですね。
もっちりした皮の中からは肉比率が高くジューシーな餡がたっぷりと包み込まれていました。
肉汁を一滴も漏らさない鉄壁の包みになっているので、一口で食べることをお勧めします。
そして締めにいただいたのが炒麺。
何も具材の入っていな中国醤油を絡めて炒めただけのシンプルな焼きそばです。
これが衝撃的な旨さ。
麺の硬さやこし、味付け、薬味、すべてが丁度良いのです。
これは餃子じゃないけど皆さんに食べていただきたい一品ですね。
これまで東北料理が中心だった味坊集団に、「宝味八萬」広東点心という新たな領域が一気に広がった感じを受けました。
カジュアルな雰囲気なので、気軽に本格的な点心が楽しめると思います。
点心類は3個単位で出てくるので、3の倍数の人数で訪問するとけんかにならなくて良いと思いますよ。