東京餃子通信編集長の塚田です。
以前メシコレのキュレーター仲間のbrax3さんからの「半蔵門にだしにこだわった餃子店ができた」というタレコミ情報をいただいていたのですが、半蔵門は近いようで意外と下車する用事もなく、2~3カ月の月日が経ってしまいました。
ようやく先日、近くで仕事の予定が入ったのでランチタイムに「だしにこだわった餃子」を求めて半蔵門駅にやってきました。
餃子とだしの組み合わせのイメージが湧きませんが、いったいどんな餃子が待ち受けているのでしょうか。
半蔵門駅3番出口からわずか徒歩3秒。
目の前に「雅なだし」の入口があります。
外の立て看板には「今日はサクッとだし茶漬け」というキャッチコピー。
どうやら餃子のお店ではなくだし茶漬けの専門店のようです。
だし茶漬けにサクッと食べるイメージがあまりなかったのでこれは新鮮です。
そしてこの看板からは餃子が置いてある雰囲気はみじんも感じられません。
入口には日本各地から集めた厳選素材の紹介のための看板がドカンと掲示されています。
特に出汁に使っている素材にはかなりのこだわりがある様子。
- 北海道産 真昆布
- 鳥取県産 鯛煮干し
- 鳥取県産 焼きあご
- 長崎県産 平子鰯煮干し
- 静岡県産 宗田節
- 沖縄県産 塩
- 愛媛県産 鯛
- 山形県産ササニシキ 米
しかし餃子には何も触れられていません。
お店は地下1階にあるので階段を下りて扉を開けると券売機がお出迎え。
そこには数量限定で「イベリコ豚の水餃子な だし茶漬け」なるメニューがありました。
タレコミ情報通り餃子がありました。
- 鮭&いくら
- 黒毛和牛
- 焼き梅&釜揚げしらす
- 鯛
等、のいかにもだし茶漬けなメニューの中に水餃子があるのは若干の違和感を感じますが、もちろんお目当ての「イベリコ豚の水餃子な だし茶漬け」の食券を購入。
ごはん大盛り無料とありますが、遠慮させていただきました。
今年の2月にできたばかりとのことで、店内はまだ真新しい感じ。
非常に小ぢんまりしていますが、席もカウンターも広めに取ってあるので窮屈な感じはありません。
和風の店内装飾で雅な雰囲気も醸し出しています。
食券を渡すとイベリコ豚の水餃子なだし茶漬けは、15分ほど調理時間がかかるとのこと。
この日は時間にも余裕があったので、ゆっくりと待つことにしました。
待っている間は改めて出汁の復習。
先ほど入り口で紹介されていたこだわりの素材達から毎日ていねいに出汁をとっているのだとか。
また、お米にササニシキを採用。
だしに合うお米を追求してササニシキにたどり着いたのだとか。
私が子供のころはお米といえばコシヒカリとササニシキですが、今や一般的なお米売り場でみかけることは少なくなってきましたね。
ササニシキはなんでもとても栽培が難しいらしく栽培する農家が激減しているそうです。
コシヒカリやヒトメボレなどと違い、ササニシキは純粋なうるち米で甘さやもっちり感が控えめで上品な味わい。
これがだしに合うのだそうです。
そうこうしているうちにイベリコ豚の水餃子な だし茶漬けが運ばれてきました。
思ったほど待ち時間は長くなかったですね。おそらく10分ぐらい。念のため長く伝えてくれていたのだと思います。
緑色の美しい水餃子が6つ並んでいます。
「おすすめな食べ方」に従ってだし茶漬けを食べる前に、だしと水餃子単体の味をチェックしたいと思います。
まずはだし。
小さな紙コップが用意されているので、そちらに少し注いでだしだけをいただきました。
これは旨味が凝縮されていますね。そして非常にやさしくて上品な風味。なんとなく身体にも良さそう。
だしだけ飲んでいたいという誘惑に駆られますが、だし茶漬けにならなくなるのでここで一旦我慢。
続いて水餃子。
もっちりとした緑色の皮には抹茶が練りこんであります。
おそらく自家製の皮だと思われます。
この皮をヒダなしでぴったりと半月型に合わせたような包み方です。
水餃子の場合、底面を取る必要がないので火の通りを考えるとこの包み方は理にかなっている気がします。
厚めの皮の中に包まれているのは、メニュー名にも掲げられているイベリコ豚の餡。
餡を噛み締めるとジュワー肉汁が染み出てきます。
派手さはありませんが程よい甘みと旨味が感じられます。
だしとの相性を考えてなのか香味野菜や香辛料は使われていないようです。
続いておすすめの食べ方に従って、ササニシキの上に水餃子をオンザライス。
白米と同時にご飯をいただきます。
水餃子が主食である本場中国の方からすると全くもって理解が得られないであろう食べ方ですが、さっぱりめの風味のササニシキと上品な味付けのイベリコ豚の水餃子の相性は良いですね。
そして海老をたっぷり使った海老ラー油を投入。
海老ラー油を餃子にちょい付けして水餃子と白米をいただきます。
辛さはあまり感じませんが、海老も香りと旨味が加わり一気に味変。このラー油の旨味には驚きました。
水餃子と白米の組み合わせを堪能した後は、メインイベントのだし茶漬けを仕上げていきます。
ここで京漬物が登場。
白米の上に並べた水餃子の上からあられと京漬物をトッピング。
そこに満を持して特製だしをたっぷりと注ぎます。
これで「イベリコ豚の水餃子な だし茶漬け」の完成です。
見た目もかなり上品な仕上がりですよね。
だしと餃子の相性を確認するために餃子に少し穴を開けてだしを餃子の中に染み込ませます。
餃子自体がイベリコ豚の素材の味を大事にした味付けなのでだしとの相性も非常に良いです。
イベリコ豚の甘みにだしの旨味が加わることで、海老ラー油を追加した以上に餃子の味がレベルアップします。
そしてだし茶漬けの主役のササニシキ。
ササニシキがだし茶漬けに向いているというのは、食べてみて納得。
甘みの強いお米だと、だしの旨味やイベリコ豚の甘みがここまで引き立たないのかもしれないですね。
合間合間で京漬物を食べながら、餃子も白米もサラサラっとあっという間に完食。
「今日はサクッとだし茶漬け」というキャッチコピーの「雅なだし」でしたが、880円のランチで、その名の通り雅な雰囲気の新境地の餃子を味わことができました。
「餃子だし茶漬け」という新ジャンルは、今後、流行るかもしれないですね。
雅なだし (和食(その他) / 半蔵門駅、麹町駅、永田町駅)
昼総合点★★★★★ 5.0