東京餃子通信編集長の塚田です。
前回に引き続き福岡から餃子情報をお届けします。
平尾の「黒兵衛」で皮にスープが練りこまれた餃子を堪能した後、仕事を済ませ夜はさらに西鉄にのって久留米に向かいました。
久留米は福岡市、北九州市に続いて福岡県内第3位の人口がある都市です。
豚骨ラーメン発祥の地としても有名ですね。
そんな久留米には博多とは少しことなった個性的な餃子店があるそうです。
久留米駅の駅前のロータリーの向かいにあるアーケード街を進むこと1~2分。
路地を入ったところに久留米で最初の目的地「五十番」があります。
うっかり外観の写真を撮り忘れたまま店内へ。
こちらは藤井ふみやさんやタモリさんが帰省する度によるほど贔屓にしているお店なのだとか。
店内はカウンター席のみでほぼ満席。さすが人気がありますね。
カウンター席に着席し、まずは餃子を注文し芋焼酎のお湯割りで体を温めます。
焼き時間がかかるようなのでキムチもお願いしました。
塩気が強く酒が進むキムチです。
若い店員さんがカウンターの奥のコンロで餃子を焼いてくれます。
鉄なべ餃子のようですね。
待つこと10分弱ぐらいで餃子が運ばれてきました。
カウンターの上に木製の鍋敷きを置いてその上に熱々の鉄なべをおきます。
焼き面はひっくり返さずに焼いた状態のまま出すのが「五十番」流の焼き方のようです。
やや小振りの餃子が9個で一人前です。
はしごをするのでなければ、3~4人前は軽くいけそう。
実際に私の隣に座っていた老父婦は2人で焼き餃子と水餃子合わせて8人前をペロリとたいらげていました。
「五十番」の餃子一番の特徴はこの焼き加減。
カリッと、そして手延べの皮のモチっとした食感のコントラストが素晴らしい。
鉄なべに乗せっぱなしにしていると固くなりそうなものですが、ちょうど良い焼き加減に仕上がっています。
ちなみに鉄なべの上で餃子をひっくり返さないで食べるのが「五十番」のルールとのこと。
上の部分のモチモチ感がなくなってしまうからだと思われます。
ヒダのほとんどない逆サイドの形状も面白いですね。
餡も少なめに薄くつくり横に倒すことでカリッとした焼き目の食感をより強く出せるようにしています。
餡は少なめでキャベツが中心でニラが少々。
豚肉もコク出し程度に練りこまれているようです。
キャベツの甘みを活かしたさっぱりめの味付け。
これは皮を楽しむための餡ですね。
餡をさっぱりめに作ることで、皮のおいしさや食感が際立ちます。
他ではあまり出会ったことのないタイプの餃子です。
タレはニンニク入りとなしの二種類が用意されています。
今回はニンニク入りのタレを試してみました。
油漬けの唐辛子も辛味として用意されています。
ニンニク醤油ダレに唐辛子をドバッと。
そして餃子にたっぷりとタレをつけていただきます。
辛味はそこそこ、ニンニクと唐辛子でさらに旨味が足された感じ。
ベースがシンプルな味付けなのでタレで活きる餃子ですね。
前々から噂には聞いていましたが、唯一無二のスタイルを確立した餃子でした。
シンプルですが飽きが来ず、またすぐに食べたくなりますね。
福岡に来た際には、久留米まで足を延ばす価値はありそうです。
水餃子もおいしそうだったので後ろ髪はひかれたのですが、五十番への再訪を誓い次の店に向かいました。