東京餃子通信編集長の塚田です。
今回はタレコミ情報をもとに友人たちを誘って千葉方面にプチ遠征。
やってきたのは千葉駅から成田線で2駅先の都賀駅、東京駅からは総武線快速で50分弱ぐらいで着きます。
都賀駅に来るのは初めてですが、千葉モノレールとも接続していて、駅前にはマンションも立ち並んでいる千葉のベッドタウン的な街の様です。
駅からモノレールに沿って歩くこと5分ほど。
目的のお店「中国小麦料理専門店 恵泉」に到着しました。
扉も看板も木製で落ち着いた雰囲気です。
外の立て看板には「中国小麦料理専門店」を標榜するだけあって、北海道産小麦で作った餃子の皮や肉まん、麺類を全面的に推しています。
これは楽しみです。
お店に入ると目の前に巨大な水槽が。
中にはアロワナを始めとする熱帯魚が泳いでいます。
店内はかなり広々として、スペースを贅沢に使われています。
入り口脇にはグランドピアノまで置いてあります。
お店の雰囲気が中華料理店っぽくないと思ったところ、実はこのお店は家具メーカーのショールームも兼ねていました。
店内のテーブルも無垢材を使った手作り家具で、中には天板に大きな一枚板をつかった立派なテーブルもありました。
ゆったりとしたテーブル席に席についてメニューをチェックすると小麦をつかった多種多様な餃子や包子、麺類、そして小麦料理以外では大連料理を中心に本格的な中国料理が並んでいます。
料理長は大連で長らく経験を積んできたベテランシェフで、料理長以外にも厨房の中には女性の麺点師など何人ものスタッフがいました。
一通りの注文を済ませ乾杯のドリンクに選んだのは「恵泉」の運営会社が北海道の農園で作っているオリジナルワイン「高原の渓流」のKerner。
フルーティでスッキリした感じの飲みやすいワインでした。
家具は作るしワインも作るし、手広く色々なことをやっている会社ですね。
もともとは北海道の教会が母体となっている様ですね。
ワインで乾杯をしていると続々と料理が運ばれてきます。
まずは前菜選んだのは豚足の煮こごり。
コリコリっとした独特な食感と凝縮された豚肉の旨味でワインが進む一品です。
続いて春餅(ちゅんぴん)です。
北京ダックを食べるときに出てくるのでお馴染みですね。
恵泉では北京ダックではなく指定の料理を春餅で巻いて食べることができます。
これが本来の食べ方なのですね。
メキシコのトルディーヤみたい。
春餅で巻く料理には大連料理の一つ豚肉細切り味噌炒めを選びました。
ネギとキュウリ、雲呑の皮を揚げたチップのようなものを添えて春餅で巻けば完成。
濃厚な味噌ダレの味とネギがアクセントなっていて美味しかったです。
前菜、春餅でお腹がこなれてきたところでメインディッシュの餃子が達が続々と運ばれてきます。
まずはかなり大きな棒餃子が4本登場です。
大連スタイルの焼き餃子です。
中国では鍋貼と呼ばれる、日本の焼き餃子とは少し異なる焼き餃子です。
餃子の両サイドが少し空いているのが特徴。
包みきらずに敢えて肉汁が皮から染み出すようにしています。
中国で食べた鍋貼は皮がゴワゴワしていて硬かった印象があるのですが、こちらの皮は弾力はしっかりとあるものの硬さは感じません。
餡は粗挽きにされた豚肉とたっぷりのニラ。
細くて柔らかい上質なニラを使っていて香りもとても良い。
私好みの味付けの餃子でした。
続いては、 わかめの小籠包。
メニューの説明書きによると、以前はわかめの饅頭を出していたのを小籠包にアレンジしたとのこと。
小籠包や饅頭にワカメを使うというのは日本では珍しいですが、大連は海産物を良く食べる地域なので、大連にいけば一般的なのかもしれません。
薄皮ですが強さのある皮を使って細かくひだを刻んでいます。
肉汁が漏れるのを覚悟で中身を確認すると、豚肉たっぷりの餡に細かく刻んだわかめが混ぜられていました。
ものすごくジューシーなのですが、わかめの磯の香でさっぱりとした仕上がりになっています。
実は小籠包に海藻は合うんですね。
続いてはパッと見は普通の焼き餃子。
サイズはかなり大きめです。
細かく刻まれたヒダが美しい。
さらに両面焼きに仕上げています。
手延べのモチモチ皮にサクッとした焼き目の食感をうまく足しています。
この餃子は実は長芋の餃子。
モチモチ皮の中には豚肉の餡に加えて大きめにカットされた長芋としそ、そして梅が一緒に閉じ込められています。
ホクホクっとした食感が印象的。
そして梅の爽やかな香りと酸味のバランスが素晴らしい。
これも他では食べたことがない餃子。
私の中ではホームラン級の大ヒット餃子です。
続いて餃子の仲間ということで焼餅です。
ただの焼餅ではなくザーサイ入り。
粗挽きの豚肉に細かく刻まれたザーサイの塩味とコリコリした食感、そしてほのかに香るパクチーも良いアクセントになっています。
油を多めに使い表面を揚げ焼きにしていて、これまでの棒餃子や焼き餃子とはまた違った皮の食感が楽しめるのも良いですね。
続いては「布袋」。
これで「ぷうだあ」と読むらしい
私は今回初めて出会った小麦粉料理です。
さすが中国小麦粉料理専門店です。
小麦の皮でつくった袋を油で揚げてあります。
油揚げのような見た目をしています。
この「布袋」の中に、ホタテ、海老、きのこの炒め物を挟み込んで食べます。
サクサクっとした皮の食感も良いですし、中国の独特な香辛料で味付けされた炒め物が美味い。
これもまた食べたくなる味ですね。
締めには手延ばしラーメンを4人でシェア。
麺も注文が入ってから女性麺点師が麺を伸ばしてくれます。
1人前で100本以上の麺に延ばすらしく麺はとても細いです。
この麺はコシは全くなく非常に柔らかくつるっとのどごしが良いのが特徴です。
野菜たっぷりスープも締めにふさわしいとても優しい味でした。
スープも美味しく飲み干せました。
手伸ばしラーメンで締めようと思っていたのですが、帰りの電車を調べると少し時間に余裕があったので、もう一品追加することにしました。
ここで選ばれたのが野沢菜の中華饅頭。
これは大連料理ではなく、日本の野沢菜と中華饅頭のフュージョン料理のようです。
中身をうまく写せなかったのですが、餡は海老と野沢菜の漬物。
塩気しっかりしていておいしかったです。
このまま焼いたら長野のおやきですね。
「中国小麦粉料理専門店」を標榜するだけあって、初めて出会った小麦粉料理に驚きの連続。
どれも料理によって皮の伸ばし方や調理方法が違うため、いろいろな味と食感が楽しめて最後まで飽きることがありませんでした。
少し都心からは離れていますがわざわざ行くだけの価値のあるお店だと思いますよ。
餃子好き、麺好きの皆さんには是非足を運んで欲しいですね。
どの料理もボリューム満点なので、最低3~4人のグループで訪問することをおすすめします。
恵泉 (中華料理 / 都賀駅、桜木駅)
夜総合点★★★★★ 5.0