東京餃子通信編集長の塚田です。
餃子食べ歩き仲間から、「究極の餃子」が食べられるお店があると、お誘いを受けて六本木にやってきました。
六本木ヒルズから陸橋をわたった六本木ヒルズレジデンスの3階に向かうと、重厚感のある入り口を発見。
こちらが「究極の餃子」が食べられるとされる「餃苑わさ」です。
もともと目黒区八雲にあった人気中国料理店「わさ」が数年前に六本木に移転してきました。
移転のタイミングでコース料理のみの「けやき坂わさ」と餃子や麺類が中心のアラカルトのお店「餃苑わさ」の2つの看板を掲げるようになりました。
私も前々からその存在は知っていたのですが、人気が高く予約困難だったためなかなか訪問機会がありませんでした。
今回、初めて訪れるとができてワクワクしながら扉を開けました。
鬼才と言われる山下シェフがたどり着いた「究極の餃子」がどんなものなのか興味深々。
かなりの種類の餃子があるとのことで、せっかくなので全種類餃子をオーダーすることにしました。
まずは炸餃子(揚げ餃子)。
最初に揚げ餃子が出てくるのは意外でしたが、出てきた餃子の形にも特徴があります。
ぷっくりとしたタコのような形の揚げ餃子です。
この包み方かわいいですね。
カリカリっとした食感の皮の中には、バターで風味付けしたウニとホタテ餡。
海鮮揚げ餃子でした。
一口サイズですが、ものすごく濃厚な味。
ウニとホタテの旨味が凝縮されています。
スタートからいきなり独創的な餃子に驚かされました。
続いて焼き餃子の盛り合わせが登場!!
なんか様子がおかしい。
ずらっと並んだ餃子が3皿。
なんと12種類の餃子を4つずつ。
事前情報では焼き餃子も数種類だという話だったのですが、驚きの12種類です。
餃子を全種類とオーダーしましたが、まさかこんなに種類があるとは。
そしてお皿には使っているお肉の銘柄が書き込まれています。
なんと餡に使う肉はすべて違った銘柄を使ってるのです。
豚肉はブランド豚が勢ぞろい
- 鹿児島黒豚
- 梅山豚
- 放牧豚
- 金華豚
- 天城黒豚
- 米沢豚
- 松坂豚
- 愛農ポーク
食べる前に、またまた驚かされてしまいました。
こちらはお皿に乗り切らなかった愛農ポーク餃子。
見た目はすべて同じです。
包み分け、焼き分けをどうやってるんでしょうね。
鶏肉餃子も4種類。
- シャモロック
- ブレス鶏
- ホロホロ鶏
- 高坂鶏
薄めの皮を使い、やや小ぶりなサイズに仕上げています。
焼き面を広く取りカリッと焼きあげているのは流石です。
ヒダもきれいに刻まれていて、かつしっかりと圧着されています。
包みも一つ一つ丁寧ですね。
餡の豚肉はねっとりとかなり練りこんで下味も強めにつけてあります。
ニラと生姜の香りもほのかに感じられます。
クワイのシャキシャキとした食感のアクセントもつけられています。
肉の銘柄によって確かに餃子の味は異なるのですが、食感だったり香りだったり、豚肉そのものの味以外の要素が絡み合って総合的にそれらの違いを感じることができる感じです。
ただし、利き餡をするとなったら、かなりの難問だと思われます。
一度食べ比べしたぐらいでは絶対無理ですね。
シナモンや八角の香りがする餃子があったので豚肉の特色に合わせて五香粉などのスパイスを使い分けているのかもしれません。
こんなに神経を集中して餃子を食べたのは初めてです。
全般的な傾向としては豚肉の餃子からは脂身の甘さが、鶏肉の餃子からは全般的に肉の食感が強く感じられました。
自分自身で餃子を作るときには、あまり鶏肉は使ってこなかったので、これは意外な発見でした。
餡の味付けは強めなのですが、お好みでラー油をつけて食べることも勧められました。
このラー油は辛さだけでなく旨味を餃子に加えてくれます。
続いて水餃子。
こちらは麻辣なソースと香菜がかかっており四川風に仕上げてあります。
小さめの餃子に麻辣タレをたっぷり絡めていただきました。
皮の存在感は控えめに、ジューシーな豚肉餡とタレが主役の水餃子でした。
続いて点心つながりで焼売の登場。
薄皮にすり切り一杯の豚肉餡が詰め込まれています。
サイズは小さいのですが餡がギュッと詰まった感じは餃子のそれ以上。
こちらは冷菜としていただいた棒棒鶏。
ネギソースがものすごく美味しいのはもちろんなのですが、それ以上に驚いたのは鶏肉の柔らかさ。
脂っぽい感じも、パサついた感じも全くない絶妙な仕上がり。
そして添えられたきゅうりはシャキシャキっとした食感。
味だけでなく、食感のバランスが素晴らしい。
料理にも使われているXO醤をおつまみとしていただきました。
ホタテの貝柱を贅沢につかった旨味たっぷりのXO醤。
これは餃子につけて食べたかったですね。
そして季節の野菜の炒め物。
春キャベツとザーサイ、タケノコとホタルイカを豆鼓で炒めた逸品。
野菜のシャキシャキした食感と甘味が抜群でした。
肉料理もすごかった。
但馬牛ほほ肉の紹興酒煮込み。
箸で簡単にほぐれるぐらい柔らかく煮込んであり、香りもよくとても美味しかったです。
餃子にならんで主役級の存在感を見せたのは麻婆豆腐。
こんなに美しい麻婆豆腐は初めてかもしれません。
食べた瞬間は上品で優しい風味なのですが後からじわじわと辛さが来ます。
ひき肉もたっぷりでとてもジューシー。
何よりもラー油が美味しいんですね。
正直な話、このラー油は飲めると思います。
締めは汁なし担々麺。
麺の上には大量のパクチーと九条ネギ。
麺が全く見えません。
パクチーとネギの下には牛すね肉の炸醤肉。
辛さと痺れだけでなく程よい甘さが口の中に広がります。
麺も小麦の甘味が感じられてとても美味しい。
そして全体として絶妙なバランスに仕上がっています。
こんな担々麺食べたの初めてかも。
炸餃子からはじまり12種の「究極の餃子」達、麻辣な水餃子、そして繊細な料理の数々。
最初から最後まで驚きの連続であっという間に時がたってしまいました。
なかなか簡単に来れるお店ではないですが、贅沢で楽しい時間を過ごせるので、何かの記念日にまた訪れたいと思います。