東京餃子通信編集長の塚田です。
前回の「本店 鉄なべ」に続きH氏に案内いただく八幡ぎょうざ店巡りです。
H氏の説明によると八幡ぎょうざにはそのルーツから幾つかのタイプに分類することができるとのこと。
「本店 鉄なべ」をルーツとする「鉄なべ系餃子」の次に向かうのは「中国本土系餃子」のお店。
八幡は官営製鉄所の関係で、大陸とのつながりも多かったため、昔から中国本土の餃子を食べられるお店があったそうです。
今回、「中国本土系餃子」のお店として案内いただいたのが「友ちゃん餃子」。
この日はH氏の車で移動をしましたが、電車だと筑豊電鉄の穴生駅が最寄駅になります。
八幡の「中国本土系餃子」ではミシュランのビブグルマンにも選出された「餃子兄弟」が有名ですが、「友ちゃん餃子」は「餃子兄弟」の兄夫婦が営むお店なのだとか。
兄弟の更に兄ということでしょうか?
店内はカウンター席と4人掛けのテーブルが2つ。
カウンターには八幡ぎょうざの小さな幟が飾ってありました。
餃子は焼餃子と水餃子の2種類。
生餃子の持ち帰りもできるようです。
どれでも10個で500円とお手軽な価格設定。
せっかくなので焼と水を両方注文することにしました。
カウンターで餃子の調理を眺めながらいろいろとお話をお聞きしました。
「友ちゃん餃子」のご夫婦は中国の吉林省から日本にやってきたとのことで、餃子も吉林省スタイル。
「友ちゃん」の由来は娘さんのお名前。
元々は友ちゃんとお母さんで始めたお店とのことでした。
そうこうしているうちに水餃子が茹で上がりました。
500円という価格設定につい油断をしていたのですが、かなりボリューミーな餃子が10個お皿に盛られています。
これは一人で来たら食べきれなかったかもしれませんね。
手延べの皮はもっちりとしていて、小麦の甘さがしっかりと感じられる良質な皮です。
豚肉ベースの餡はとてもジューシーでニンニクは使われていません。
ニンニクの代わりに八角など中華系の香辛料が何種類も使われた複雑な香りがします。
本格的な中国の水餃子ですね。
甘めの味付けは玉ねぎの影響のような気がします。
タレなしでも十分においしい餃子なのですが、自家製のラー油もおススメとのことなので酢醤油にラー油をつけていただきました。
辛味は抑えめで旨味が凝縮されたラー油で、水餃子との相性抜群です。
続いて焼き餃子。
丸々とした大き目の餃子が10個。
カリっとした完璧なきつね色の焼き色がついています。
モチモチの手延べ皮をつかいひだをつけずに圧着されています。
餃子の皮がよく伸びるようで餡パンパンに詰まっています。
「中は熱々だからね」
と食べる前にお父さんに注意を促されたので慎重に食べたつもりだったのですが、皮の中からは熱々の肉汁がビュッと飛び出てカウンターを汚してしまいました。
そして焼き餃子を頬張ると、これまた熱いのなんのって、、、
さきほどの肉汁が口の中に飛んでいたら大変なことになっていたかもしれません。
焼き小籠包に勝るとも劣らないジューシーな焼き餃子です。
焼いても中華系の香辛料はしっかりと効いているのでタレは不要ではあるのですが、量が多いので後半はラー油をつけて味変をさせました。
皮のおいしさを楽しむのであれば水餃子を、餡のジューシーさを楽しむのであれば焼き餃子をお勧めします。
調理方法だけで餃子自体の味わいがこんなに変わるというのは面白いですね。
流石、八幡の「中国本土系餃子」を代表する「友ちゃん餃子」。
とてもレベル高い餃子が食べられましたし、何よりもアットホームでとても居心地のよい空間でした。
東京にあったら確実に通っちゃうと思います。