東京餃子通信の塚田です。
今回も高崎から「絶メシ」餃子のレポートです。
町中華店は通し営業を行っているところは少ないため、前半戦にいかに多く回れるかが食べ歩きの勝負の決め手です。
12時をちょっと過ぎた時点で3軒目に突入。
3軒目に選んだ「太洋軒」は高崎市の中心部から西にかなり進んだところにあります。
この辺りはもともと榛名町だったのですが2006年の市町村合併で現在は高崎市になっています。
創業から50年超この地で営業を続ける「太洋軒」。
ご主人が25歳の時に創業されたそうです。
絶メシリストの初期のころに掲載されたお店らしく、店頭には掲載店のシールも貼られています。
営業時間は12時から2時までの2時間のみ。
以前は夜の営業もやっていたそうなのですが、現在は無理のない範囲で営業をしているとのこと。
店内はテーブル席と小上がりがあります。
小あがりは劇狭。
中華中心のメニューなのかと思いきや、ヒレカツやロースカツなど豚カツ類もあります。
カツも食べたかったところですが、今回も餃子の食べ歩きをしているという事情をお話しして餃子のみを注文。
お昼を過ぎてちょっとお客さんが引いた時間だったので快く応じていただきました。
注文が入ると奥でご主人の奥様が餃子を包み始めました。
この包み方が超絶テクニック。
右手の甲に餡を載せた皮を置き、左手でギュッと押し付けると餃子が包まれています。
言葉で説明しても分りにくいので、絶メシリストに載っている写真を見てもらうとイメージがつかめるかもしれません。
恐らく機械で包むように左手が金型の様な役割をしているのだと思いますが、これは習得に時間がかかりそうな技です。
ご主人のお母さまが満州出身の方と再婚し、その方の餃子の作り方を見よう見まねで覚えたところ、このやり方に行きついたそうです。
手の甲で包んだ餃子は、餃子用の鉄鍋でカリッと焼かれます。
キレイなきつね色に焼けています。
底面が広いのも良いですね。
手の甲で包んだ餃子にはヒダがありません。
他ではこのような包み方は見たことがないですね。
唯一無二の包み方と言ってよいのではないでしょうか。
餡はねっとりとした感じ。
豚肉と野菜が良く練りこまれています。
野菜はニラと白菜が中心でネギも少々。
ニラの香りが強めに効いていて、私好みの味付けです。
ニンニクもがっつり効いています。
見た目のふんわりした感じとは異なり、かなりパンチの効いた餃子です。
ベース餡の味付けは強くないので、酢醤油で味を調整して食べるのが良いと思います。
私の中では濃い目のお酢と醤油を5:5の比率でタレを作ってみました。
テーブルの上に器があったので蓋を開けると、中には大量の梅干しが入っていました。
群馬県は梅の生産量が和歌山県に次いで全国2位ということで、梅干しが生活に根付いているようです。
餃子のあとの梅干しで、口の中を爽やかにリセットさせてもらいました。
お店ももちろんなのですが、手の甲で包む餃子の包み方は是非誰かに伝承してこの技術を絶やさないでほしいですね。
まさに絶メシにふさわしい、他には存在しない、絶対に絶やしてはいけない超絶テクニックでした。