東京餃子通信編集長の塚田です。
佐賀県と蔓餃苑のコラボレーション企画「珍魚苑」に当選しました!!!!
8月分の第1期は6人での貸切を狙いあえなく落選。後々聞くと数十倍の当選倍率だったとのこと。
9月分の第2期の募集の際には、人数を3人に減らして再チャレンジ。これが功を奏したのかなんと当選の連絡をいただきました。
9月某日、ドキドキしながら同行メンバーの2名と指定された時間に珍餃苑に向かいました。指定時間になると苑主のパラダイス山元さんにお出迎えいただき「蔓餃苑」あらため「珍魚苑」に入苑。
部屋の中はいつものおもちゃ箱のような雰囲気。いつものクリスマスツリーが正面に鎮座しています。
よくよく見るとクリスマスツリーの中央に「珍魚苑」のオーナメントが飾られていたり、佐賀に関連するポスターが置いてあったりと、「蔓餃苑」ではなく「珍餃苑」に生まれ変わったことが実感されます。
席についてまずは佐賀の日本酒「天吹 純米吟醸すぱーくりんぐ」で乾杯。
シャンパンほどではありませんがシュワシュワ感があって乾杯に最適ですね。
非常にさわやかな味わいです。
さて、テーブルに珍魚苑のオリジナル小皿がセットされて、いよいよ開苑です!
最初の珍魚「アカニシ貝」からスタートです。
通称「ニシ」と呼ばれるアカニシ貝は、有明湾などでとれる巻貝に一種。
サザエにも勝るとも劣らぬ風味と歯ごたえが人気の貝で、お刺身にしても茹でてもおいしく食べられるようです。
この貝が餃子の王様の手にかかればこの通り。
餃子の皮でぷっくりと丸みを帯びた形に包まれています。
焼き目は両面についていました。
餃子の中に包まれているのはアカニシ貝のみ。
パリッとした皮の中から現れるアカニシ貝のコリコリ触感がたまりません。
貝の旨味もしっかりとしていて、さらに海苔の香りが口の中に広がります。おそらくアカニシ貝が有明海の海苔を食べて育っているのでしょう。
一発目の餃子ですでに気分は有明海。
続いてグロテスクな干物が現れました。
こちらが有明のエイリアンこと「わらすぼ」です。
通常はこのように干物にしたものを炙って酒のつまみにして食べるのだとか。
こちらがワラスボの顔。
完全にエイリアン、、、このまま口に部分だけ飛び出てきそう。
一口サイズにはさみで切って食べてみましたが、見た目とは想像できないぐらい上品な味。
先ほどのすぱーくりんぐ清酒と合わせてみましたが、日本酒のつまみとしては最高ですね。
さて、このエイリアンが一体どんな餃子になるのでしょうか?
ここでドリンクチェンジ。
「エイリアンエナジー」というワラスボエキスが入った佐賀のエナジードリンクを見つけたので、ワラスボ餃子に合わせるべく一本飲んでみることにしました。
蔓餃苑の餃子もゼ〇キング入りですし、合うかもしれません。
ワラスボ餃子はスペースマウンテン型に包まれていました。
エイリアンを追っかける宇宙船というイメージでしょうか。
こちらは山椒をつけて食べるのがおススメとのこと。
餡はワラスボのかば焼きのような甘めの味付け。
ワラスボ自体がかなりたんぱくな味なので甘めの味付けが合うようです。
今回の珍魚のなかで見た目と味のギャップが一番あったのがこのワラスボ。
エイリアンエナジードリンクはとても甘かったです。
お酒の割材にしてエイリアンサワーにすると美味しくいただけるかもしれません。
ワラスボ餃子の作り方はこちらでパラダイス山元さんが丁寧に解説をしているので、生のワラスボが手に入ったら是非お試しください。
佐賀県×蔓餃苑|有明海餃子「珍魚苑」のワラスボ餃子の作り方【レシピ動画】
せっかく佐賀のイベントなので、ビールも一番搾りの「佐賀に乾杯」で次の餃子を待ちます。
続いて現れたのは一見すると普通の餃子。
ですが、餃子の皮から透けている餡が見えません。どんな珍魚が入っているのか、、、
中に入っていたのはクチゾコと呼ばれるシタビラメの仲間。
形が靴底に似ていることから「クツゾコ」と呼ばれ始め、だんだんと呼び名が「クチゾコ」変化して定着したのだとか。
佐賀では煮つけなどにして食べるのが一般的なのだとか。煮つけにする白身魚を餃子に使うというのもチャレンジングですね。
薄焼気味のもっちり触感を残した餃子の中に包まれたクチゾコは、ふっくらした柔らかい口当たり。
あっさりとした淡白な味わいの餃子というのも面白いですね。
肉汁至上主義の最近の餃界の流れに一石を投じるような意外性のある餃子でした。
「クチゾコ」の餃子にはビールよりも日本酒が合いそうだ思い、またまた発泡性の日本酒に手を出します。
インターナショナル・ワイン・チャレンジの日本酒部門・スパークリングの部で見事一位に輝いた天山酒造のスパークリングです。
こちらも天吹同様に微炭酸ですが、これは抜群に美味いですね。白身魚にもよく合います。
そして続いての珍魚の餃子に進みます。
こちらも一見すると普通の餃子。黒っぽい餡が透けて見えます。
こちらの中身はなんと赤貝。
国産の赤貝は非常に希少で高級食材としても有名です。回転寿司店などでは輸入物や代用品が使われているようです。
そんな赤貝が餃子の皮の中に目一杯詰まっています。醤油とみりんで甘じょっぱく煮込まれていました。貝の旨味と磯の香りが口の中いっぱいに広がる、とても贅沢な餃子でした。
上品さで言えばこの日ナンバーワンの餃子だったかもしれません。
赤貝餃子の作り方も公開されていました。
作り方は簡単そうですね。赤貝さえ大量に入手できれば、、、
佐賀県×蔓餃苑|有明餃子「珍魚苑」の赤貝餃子の作り方【レシピ動画】
続いての珍魚はこちらの白いエビ。
白エビとか芝エビとか呼ばれる有明湾の特産品。正式名はシラタエビというらしい。
生きているときには透明な色をしているそうです。
通常はかき揚げなどにして食べるものらしいですが、珍魚苑ではこちらも餃子の餡に早変わり。
良く焼き気味に仕上げられた餃子からは、白エビのひげらしきものがぴょんぴょん出ています。
それもそのはず、餃子の中には先ほどの白エビが丸ごと何匹も詰め込まれているのです。ミンチなどにしていれるのかと思いきや姿身のまま。
一見すると驚きはないかもしれませんが、これだけバラバラで大きなものを包み込むというのは物凄く高い包みのテクニックが必要。
正に餃子の王様ならではの餃子です。
白エビが丸ごと入っているため、食感の変化が楽しめる餃子に仕上がっていました。エビの甘みも印象的でした。
ラストの珍魚を迎える前に日本酒をもう一本開けてしましました。
こちらも佐賀県の酒蔵竹の園の強敵ゆびずもうという純米大吟醸。
ライバルであるパンダと白クマがゆびずもをしながらお酒を飲むというシュールなデザインですが、辛口でしっかりとした味わいの日本酒です。
餃子側の味が濃くても負けない強さをもった日本酒ですね。
珍魚のトリを務めるのは、有明湾の珍魚の代名詞ともいえる「むつごろう」。こんな見た目ですが刺身にしても美味しいらしいですね。
見た目がなんとなく愛らしいかわいい魚です。生きているときは
手前がむつごろう餃子。奥はもう一つのトリをつとめる珍魚「わけのしんす」、イソギンチャクの餃子です。
こちらが「わけのしんす」の揚げギョウザ。
「わけのしんす」というのは「若い者のお尻の穴」という意味らしいです。イソギンチャクがキュッとしまったときは確かにそんな形をしてますね。
「わけのしんす」についてはデイリーポータルZのこちらの記事で詳細に解説をされているので、気になる方はご覧ください。
佐賀県ではワケノシンスは、炒め物にしたり味噌煮にするのが地元では一般的な食べ方らしいのですが、実は唐揚げにして食べるのが特に旨いらしいです。
それもあってか餃子も揚げ餃子に仕上げてあります。
イソギンチャクと似た形に包まれた餃子がサクサクに油で揚げられています。
サクサクの揚げギョウザの内側にはバターで炒めたワケノシンスがたっぷりと。
バターと磯の香りが合わさって口の中で大爆発。無茶苦茶美味しいです。
これで日本酒が何倍でも飲めそうですね。
アカニシ貝も有明の磯の香りを強く感じましてが、ワケノシンスの香りはその比ではありません。
佐賀の人たちはこんなに美味しいものを、これまで独り占めにしていたということですね、、、
Youtubeでは、ワケノシンスの焼き餃子の作り方が公開されています。焼きも美味しそうですね。
佐賀県×蔓餃苑|有明餃子「珍魚苑」のイソギンチャク餃子の作り方【レシピ動画】
そして大トリのムツゴロウの餃子の前に、特別なつけダレが出されました。
有明の特産品の「がん漬け」というカニを殻ごとすり潰した塩辛とマヨネーズを合わせたソース。
これだけでもお酒が進む逸品です。
先ほど可愛らしい顔を見せていたむつごろうは、油で揚げられてゴジラのような顔つきに。
これこそパラダイス山元さんが最近推している「シン・ギョウザ」ではないかと思うほど。
バリバリっとむつごろうの頭からかぶりつくと独特の磯の香りと苦味が口の中に広がります。 「がん漬け」のタレとの相性も抜群な大人の餃子です。
むつごろう餃子の作り方もこちらで公開されていますので、ぜひご家庭でもお試しください。
佐賀県×蔓餃苑|有明餃子「珍魚苑」のむつごろう餃子の作り方【レシピ動画】
ここまで7種の珍魚の餃子を堪能しましたが、これだけでは終わりません。
実は、パラダイス山元さんが合間合間に蔓餃苑の餃子も振舞ってくれました。
まずは「シン・ギョーザ」。
キャベツの「シン」と「ゼ○キング」がたっぷり入った、蔓餃苑のフラグシップ的な餃子です。
カリッカリに揚げ焼き気味に仕上げています。こんなに美しい焼き色の餃子にはなかなか出会えませんよね。
「シン・ギョウザって何?」って方はまずはパラダイス山元さんの新刊『うまい餃子』をご覧ください。
続いて2016年の「今年の一皿」にもノミネートされた「ラムパクチー餃子」。
ラムとクミンそしてパクチーの香りが絶妙のバランスが素晴らしい。
これはビールとの相性抜群。「佐賀に乾杯」と合わせていただきました。
『パラダイス山元 餃子の創り方』で見て衝撃うけたヤリイカセクシー餃子も登場。
イチジクの合間からヤリイカのセクシーな脚が見え隠れをしています。
珍魚苑にふさわしい餃子だと思ったのですが、ヤリイカは有明産ではないとのことなので番外編扱いとさせていただきました。
入苑から気がつけば4時間が経過。次々出てくる珍魚餃子たちに夢中になり、あっという間の時間でした。 「餃子は自由な料理」だということを改めて認識させてくれる素晴らしい餃子のオンパレード。さすが餃子の王様ですね。
同時に、初めて口にする有明海の珍魚たちの見た目のと味のギャップの面白さにハマってしまいました。特にワケノシンスは美味しかったので、とれたてのワケノシンスを使った餃子を食べるためにも、一度は佐賀に行ってみたいですね。ぜひ、唐揚げも食べてみたい。
このような奇想天外な企画を成立させた佐賀県の担当者の方に感謝したいと思います。
ありがとう餃子いました!!