東京餃子通信編集長の塚田です。
浅草は、「餃子の王さま」や「コント」など餃子が人気の老舗の中華料理店が多数ある町としても有名ですが、そんな浅草にホワイト餃子を出す中華料理店があるというタレコミ情報を得ました。
ホワイト餃子グループの店舗一覧を見る限り、技術連鎖店を含め浅草にはホワイト餃子の関連店舗は一軒もありません。
というわけで、真相を明らかにするために今回は浅草までやってまいりました。
つくばエクスプレスの浅草駅から国際通りを北に進むこと5分ほど、レンガの壁に歴史を感じさせる黄色い看板のかかった中華料理店「太陽」の到着。
これぞ下町の町中華というような雰囲気のある店構えです。
お店の外には有吉ジャポンなどテレビや雑誌などで取り上げられた様子が貼り出されていました。
ドラマの撮影でも使われている様子です。
暖簾をくぐり店内に入ればドラマのロケ地になっていることも納得。
カウンターの奥に見える厨房。赤いテーブル。壁には所狭しとメニューが掲示されています。これは多くの日本人が思い描く町中華の姿ですよね。
中でも一番重要なポイントは建物や内装は古くても清潔感にあふれていること。掃除の行き届いた居心地のよい空間です。
メニューの中でも圧倒的に餃子に力を入れているのが伝わってきます。
太陽特製餃子は5個で550円。ラーメンが550円なので、ラーメンと同じ価格です。
単価110円というのは、町中華の餃子としてはなかなか攻めた価格設定ですね。
壁にもひときわ大きく「餃子」の文字が。
よほどの自信があるのでしょう。
ギリギリまでラーメンと餃子か餃子ライスかを悩みましたが、ここまでアピールされている餃子であれば主役をはって欲しいと思い餃子ライスを選択しました。
注文から10分ほど経ってトレイに乗った餃子とライス、スープにお新香が運ばれてきました。
餃子ライスにするとスープとお新香はおまけで付いてくるようです。
餃子は丸みを帯びた形状でカリッカリに揚げ焼きにされています。
これは主役級の存在感。
ラーメンのサイドとしてはインパクトが強すぎます。
この時点で餃子ライスを選択したのは正解だったことを確信。
本題に戻ってこちらがホワイト餃子なのかどうかを検証したいと思います。
楕円形に広めに取られ揚げ焼きにされた焼き面はホワイト餃子に近いような気もします。
手延べ皮で包んだ餃子を一旦大きな鍋で茹でてからラードで煮込むように揚げ焼きにしてこの焼き目をつけているそうです。
ヒダは中央に向かって細かく8~10個刻まれています。
片側にしかヒダが付いていない点はホワイト餃子との包み方の大きな違いです。
餃子にかぶりつくとカリッとした焼き面の食感に加えて、ヒダが寄せられた部分のモチモチっとした食感が追いかけてきます。
これはホワイト餃子とは全く別物の食感です。
また餡がたっぷりと詰め込まれている点もホワイト餃子と異なる点ではあります。
豚肉をベースにキャベツ、長ネギ、玉ネギ、ニラを使った餡が隙間なく詰め込まれています。
味付けはシンプルで強めの香辛料は使われていません。
酢醤油ベースの餃子ダレが用意をされているのでお好みでラー油を追加。
このタレを餃子にたっぷりとつけて味を調節します。
さらにはタレをたっぷりと染み込ませた餃子をオンザライス。
バウンドさせた部分の白飯が変色している部分が最高に美味しいんですよね。
餃子のタレは餃子に付けるよりもご飯にかけた方が美味しいのではないかという説もあったり、なかったり。
「太陽」の餃子がホワイト餃子に似ているという情報をもとに浅草にやってきましたが、結論としてはパッと見の外見は近い部分はあるものの全く別物の餃子でした。
調べてみると「太陽」の創業は60年ほど前で、その頃からこの餃子の作り方だったようです。
ホワイト餃子も創業が昭和30年代なので昭和20年代に焼き餃子が普及を始め、昭和30年代には油をたっぷり使った揚げ焼きの餃子に進化したものが生まれてきたようですね。
昭和の高度成長期の活気がある様子を思い浮かべながら、その時代に生まれた揚げ焼き餃子を食べるなどというのもおつですね。
太陽 (餃子 / 浅草駅(つくばEXP)、入谷駅、浅草駅(東武・都営・メトロ))
昼総合点★★★★★ 5.0