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「中華料理進化論」に見る焼餃子の進化の過程

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東京餃子通信編集長の塚田です。

友人の徐航明さんの「中華料理進化論」が先日発売になったので早速読んでみました。

徐航明さんは、四川省出身の方で大手電機メーカーに勤めながら食文化研究を行い、日本や中国で執筆活動を行っている方です。

焼餃子に関しても中国出身者であり日本での経験も長い中で培った経験をもとに、いろいろと調査・研究を行われているので、会うたびに新たな視点やアイデアを頂いています。

 

今回の出版された「中華料理進化論」では、中国本土の本場の味を再現した高級で本格的な中国料理と異なり、日本で独自進化し日本の食文化の中に定着をした大衆的な「中華料理」にフォーカスをし、文化、技術、ビジネスの幅広い視点からその進化のプロセスを分析しています。

 

中華料理は中国料理の改良版ではなく、独自進化した発明だというのが徐さんの論。

ラーメンや麻婆豆腐など、本場の料理とは異なる形で進化を遂げ、我々の食生活には欠かせないものになっていますよね。

その中には、もちろん焼餃子も含まれています。

餃子は日本では水餃子として中国から伝播をし戦後焼餃子に形を変え爆発的に普及をしてきました。

徐さんが食文化の研究をするきっかけの一つが水餃子と焼餃子の違いだったと言います。

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 そして日本で独自進化をした料理がさらに世界に伝播し、本場の中国にも普及していくというのが一つの流れだとしています。

ラーメンはまさにそうですね。

餃子にしても水餃子が日本でギョウザとなり、現在では世界でGYOZAとして通用するようになってきました。

以前は英語で焼いた餃子のことは、pan fried dumplingsとかpotstickersと呼ばれていました。potstickersは、中国の「鍋貼」という焼餃子のような鉄板で焼いた料理の名前から来ていると思われます。

これが最近ではgyozaと呼ばれることが多くなってきました。

 

ギョーザは日本の料理だということは、私もことあるごとに主張してきたのですが、中国出身者の徐さんも同じ結論に至ったということは、とても心強いことです。

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本書ではスマートフォンのOSの派遣争いや進化などハイテク業界の事例と比較しながら、中華料理の進化のプロセスを分析しているとこもあり、私のような同じ業界にいるものとしては興味深く読めました。

(他の業界の方だとあまりイメージがわかないかもしれませんが)

 

餃子好きでうんちく好きな方にはとってもオススメできる本ですので、興味をもったら是非読んでみてください。

中華料理進化論 (イースト新書Q)

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