東京餃子通信編集長の塚田です。
年末に家族で伊豆方面に旅行に行く途中、ランチ休憩のため小田原に立ち寄りました。
小田原に来たので家族は「氷花餃子」を希望したのですが、私の独断で別のお店へ。
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向かったのはこれぞ昭和の町中華といった店構えの「日栄楼」。 創業70年近い小田原で一番古い中華料理店の一つなのだとか。 小田原駅東口から徒歩3分ぐらいのところにあります。 11時過ぎという早めの時間だったため、我々がこの日最初の来店客だったようです。 ここだけ昭和30年代で時計が止まっている感じの雰囲気です。 壁にはずらりとメニューが並んでいます。 町中華定番のメニューから、アワビのウマニまで幅広いメニュー構成。 事前に予約すればコースも対応してくれるそうです。 小田原までわざわざ来て「日栄楼」に寄りたいとおもった理由の一つがこれ。 餃子の短冊の上にかかれた「商標登録」の4文字。 「日栄楼」は、かつて「餃子」という商標を持っていたらしいのです。 店内には昭和36年に「餃子」の商標登録を出願したという記録が掲げられています。 現在では「餃子」は、一般名称とされ「日栄楼」の商標ではないのですが、昭和36年当時に出願はされていたようです。 商標登録証ではないので、商標が取れていたのかどうかは定かではないですね。 さて、我々は餃子とラーメン、そして五目焼きそばを注文しました。 厨房も一品ずつしか作れないのでものすごく時間がかかります。 オーダーを揃えればよかったと反省。 ラーメンはこれぞ醤油ラーメンというベーシックなものでした。 細めの麺とあっさりしたスープがよかったです。 メンマがものすごく濃い味付けになっているのが印象的でした。 続いて五目焼きそば。 白菜などの野菜をかなり大きく切ってあり私好み。 こちらも美味しかった。 続いて餃子用の酢醤油が運ばれてきました。 醤油とお酢、ラー油の組み合わせの様ですが、かなり醤油比率の高いタレです。 そして主役の餃子が登場。 一見すると春巻きのような餃子ですが、入り口付近のレジ脇に設置された鉄鍋でおかみさんが焼いているのが見えたので、調理方法としては揚げではなく焼き。 これが登録商標として登録されたという「餃子」の姿なのです。 春巻きや棒餃子のようにくるっと包まれています。 両面を揚げ焼きで仕上げているので春巻きっぽいんですね。 皮はかなり薄めで中の餡が透けて見えます。 やや油っぽいですが、パリパリっと揚げ焼きにしあげた薄皮の軽めの食感が良いですね。 皮に包まれているのは春巻きではなく餃子餡。 餡の具材はひき肉とニラが中心。 餡をパンパンには詰めずに、軽くふわっとした食感に仕上げてます。 餡の味付けは強くないのでタレをつけて食べます。 しかし最初に用意されたタレは私には醤油が強すぎました。 卓上のお酢を使って倍ぐらいに薄めたらちょうどよかったです。 ラー油だけでなくカラシを使っても美味しかったです。 本当に「餃子」の商標が取れていたのかどうかは確認できませんでしたが、昭和20年代から小田原の地で餃子を作り、それを広めようという野心を「日栄楼」の当時の店主さんは持っていたのでしょう。 「日栄楼」が「餃子」の商標を今でも持っていたら、日本の餃子の歴史は大きく変わっていたかもしれないですね。 餃界の歴史を語る上で重要な一店だと思うので、皆さん元気に1日も長く続けて欲しいです。 中華料理 日栄楼 本店 (中華料理 / 小田原駅、緑町駅)
昼総合点★★★★★ 5.0