東京餃子通信編集長の塚田です。
小麦で何かを包んで調理をした餃子に似た料理は世界の各地にあります。
特にユーラシア大陸やその周辺の島々ではかなり広範囲に存在し、独自の進化を遂げています。
私もこれまで海外出張などのついでに、現地でいろんな餃子風料理を食べてきました。
そんな世界の餃子達を徒歩で食べ歩きできる町が東京都内にあるってご存知でしたでしょうか?
実は、総武線大久保駅、山手線新大久保駅周辺には、韓国料理やネパール料理をはじめ、各国の料理の専門店が集結しています。
こんなに食のバラエティに富んだ町は世界中探してもなかなか見つからないのではないでしょうか?
今回は、先日うちうちで実施した「世界の餃子食べ歩きツアー in 大久保」の様子をご紹介したいと思います。
事前に各専門店のメニューをネットでチェックしたところ、大久保周辺では
- ネパールのモモ
- 韓国のマンドウ
- モンゴルのボーズ、ホーシュール
- 延辺朝鮮族自治区の土豆餃子
- トルコのマントゥ
- チュニジアのブリック
- インドのサモサ
- アイヌのキトピロ餃子
などなどを食べることができます。
流石に一晩では全部回ることはできないので、今回のツアーではこの中から3つをピックアップして食べ歩くことにしました。
まず最初に向かったのは大久保通り沿いにあるナングロガル。
ネパール料理の専門店です。
雑居ビルの3階と4階がナングロガルなのですが、入口は2階にあります。
細い階段を上った突き当り。
ドアを開けると更に階段を上ります。
各国料理の専門店に来たら、その土地のお酒を飲むのが鉄則。
ヒマラヤの雪解け水を使って作ったビール。
まろやかでコクのあるビールです。
すぐに出てくるるおつまみという事で、チャットパット(Chatpat)を注文。
スパイシーでちょっと酸味のあるお菓子のような食べ物です。
思いの他、辛くてビールがあっという間に一本無くなってしまいました。
続いてネパールのネワール料理の伝統料理バラ(Bara)。
ピザのようなお好み焼きのような、小麦の生地を広げて色々な具材を載せて焼くというのも世界各国で見受けられますね。
そしてお目当てのネパールの餃子風料理のモモ(Momo)
メニューにはカッコ書きで○○餃子と記載されていますね。
待ちのネパール・インドカレー屋さんでは、蒸したモモのみの展開が多いですが、ナングロガルでは、モモだけでも多種多様な食べ方を提案しています。
実際にネパールでもいろんな食べ方をするようですね。
- スープモモ
- 蒸しモモ
- ホットスープモモ
- ベジタブルモモ
- 揚げモモ
- チリモモ
- モモのスパイス合え
その他にも、汁麺のトッピングにモモを入れることもできるようです。
そしてナングロガルが素晴らしいのは、モモの盛り合わせというメニューがあるところ。
2つずつ5種類のモモが食べられます。
それぞれ調理の手間がかかって大変だと思いますが、食べ歩く側としては嬉しい提案ですよね。
この日は3人での食べ歩きツアーだったので、それぞれ気になるものに適当に分けました。
まずは野菜モモ。
一つだけ包み方が異なっていて木の葉包み。
餡の違いを分かるように包み分けをしているのでしょう。
モモというと小籠包の様な包み方だけなのかと思いきや、日本の餃子のように三日月形に包んだり、木の葉型に包んだりとバリエーションは色々とあるようです。
肉を使わない野菜の餡ですが、スパイスが効いていてしっかりとした風味がついています。
ソースを軽くディップしていただきました。
続いて揚げモモ。
個人的にはこれが一番良かった。
皮は小籠包に比べると厚めに作られているので、パンのように表面サクッと中はふわっとした食感になります。
餡は鶏肉の挽肉でしょうか。
そしてスープモモ。
スパイシーで酸味のあるスープにモモが入っています。
このスープも独特な風味で気に入りました。
他のメンバーは、モモ自体を食べるのが初めてだったようで大変喜んでいました。
ネパール料理というと、どうしても町中のカレー屋さんのイメージがあり、カレーや短ドリーチキンのようなインド系のメニューしか食べたことがないという方は多いんですよね。
そんな方には是非ネパール専門店に行くことをお勧めします。
ネパール料理を満喫したツアーメンバーが次に向かったのはトルコ料理店。
大久保駅のホームにそって歩き、路地を北の方に入ったところに「ヒサル」というトルコ料理専門店があります。
ネパールからは徒歩5分ほどでトルコに到着です。
トルコについたので、トルコビールEFESで乾杯。
すっきりとして爽やかな香りのするビールです。
「ヒサル」では、トルコ料理の代表格シシケバブを頂きました。
肉は、チキン、ラム、アダナ(牛肉のミンチ)から選べます。
今回はラムを注文。
スパイシーでラムの旨味を存分に楽しめます。
もう一種類トルコのビールを勧められたので注文。
Veniisと書かれていますが、店員さんはビーナスと呼んでました。
あっさりタイプで、いくらでもグビグビと飲めるビールでした。
そしてトルコの餃子風料理マントゥ(Manti)の登場。
小さく包まれたマントゥにヨーグルトソースとパプリカバター、ドライミント、唐辛子がかかっています。
マントゥは、カイセリという町の名物料理。
四角く小さくカットされた皮にスパイスと会えた羊肉の餡を詰めて包みます。
小さくて、餡がしっかり入っているのが好まれるそうです。
ニンニクの香りと各種スパイス、そして羊肉の旨味。
とてもクセになる風味なんですよね。
今回は食べ歩きということでほんの1時間弱の滞在でしたが、とてもアットホームでゆっくり食事を楽しめる雰囲気のお店だったので、次回はじっくりとトルコ料理を楽しむために来たいと思いました。
さて、ツアーメンバーが最後に向かったのはチュニジア料理のハンニバル。
トルコからはまたまた5分ぐらい歩いたところ。
大久保駅北口の近くです。
お店の雰囲気はオシャレで、なんとなく地中海っぽいイメージです。
陽気なチュニジア人店主が出迎えてくれました。
店主さん一人で切り盛りしているようです。
遅めの時間で、お客さんが常連さん一人だったので、すでに店主さんは楽しそうにワインを飲んでいました。
店主さんは20年以上日本にいるらしく、日本語はペラペラで常にお客さんにジョーク交じりで話しかけています。
我々も一見さんだったのですが、常連さんと同じように話しかけてくれたので楽しめました。
チュニジアビールが切れているということだったのでチュニジアワイン(写真撮り忘れ)を注文し、三軒目だという事を伝え適当につまめるものを出してもらいました。
まずはオードブルとして豆のペーストやラタトゥイユのブルスケッタ。
つづいてクスクス。
世界で最小のパスタともいわれています。
地中海周辺では主食として食べられていますが、日本ではあまり馴染みがないですよね。
そしてお目当てのブリック。
お店ではチュニジア風春巻きと呼ばれていました。
四角い大きな皮をつかった揚げ物なので、春巻きの方が近い気もしますが巻いてはいないので、揚げ餃子の仲間とも言えると思います。
店主さんがブリックを上手に食べる方法を教えてくれました。
紙ナプキンで端っこを包んで縦に盛って食べるというのです。
これは目からうろこの大発見。
これまでは、お皿の上でナイフとフォークを使って食べてましたが、どうして中に入っている半熟卵がドロッと出てきてしまって勿体ないと思っていたんですよね。
揚げたてなので熱いのは少し我慢しなくてはいけませんが、、、
パリパリの薄皮に包まれたブリックを上から食べ進めていくと餡に到達。
ツナとバジルであえたポテト、そして半熟の卵が登場。
これらをこぼさないように上手く食べ進めていきます。
最初は餡の具材のそれぞれの味が順番に感じられ、食べ進めるうちに一体感が出てきます。
大きな皮で包んでいるからこその楽しみ方ですよね。
今回は、19時スタートで23時前までのたった4時間で、3か国を食べ歩くことができました。
こんな食べ歩きツアーができるのは世界中探しても大久保だけかもしれません。
そして、大久保には今回は時間とお腹の都合で回れなかった各国餃子風料理がまだまだあります。
餃子をきっかけに、世界各国の料理に触れ、気に入ったら再訪してじっくりとその国の料理やお酒を楽しむというのも楽しいと思いますよ。