東京餃子通信編集長の塚田です。
4月にカザフスタン、ドイツ、トルコの餃子を食べにうかがった野方の「ととら亭」を再訪しました。
ととら亭は、店主の久保えーじさんと奥様が世界を旅して学んできた各地の料理を、現地でのレシピを完全再現する形でお店で出すという唯一無二の旅の食堂スタイルのお店です。
2月には世界のギョーザを求めて旅した様子を「世界まるごとギョーザの旅」として出版しました。
今回再訪したのは「世界まるごとギョーザの旅」出版記念メニューの第二弾の提供開始がされたため、新たな「世界のギョーザ」を食べるためであります。
世界のギョーザ特集パート2で新たにて提供開始されたのは以下の3カ国の餃子たちです。
- スロバキアのブラチスラバ風ピロヒー
- 韓国のソウル風マンドゥクク
- アゼルバイジャンのバクー風ギューザ
特にギューザはその名前がギョーザにそっくりなところから、「世界まるごとギョーザの旅」を読んだ際に最も気になったギョーザの一つでした。
まずはビールで乾杯。
そして各国のギョーザたちを人数分注文します。
最初に登場したのはスロバキアのブラチスラバ風ピロヒー。
ピロヒーは、隣接するポーラーンドのギョーザでもあるピエロギの影響を大きく受けていそうです。ロシアのペリメにがポーランドのピエロギになり、スロバキアでピロヒーになったというのが有力な説。
通常の餃子の3倍ぐらいあるサイズ。皮は若干黄色いので卵を使っている様子です。
ベーコンが乗っていて、バターソースとヨーグルトをつけて食べるのがスロバキア流とのことです。
もっちりとした生パスタのような食感の皮の中にはポテトが入っていて、炭水化物 in 炭水化物。がっつりとお腹にたまります。
ビールが空いたので、次は白ワインへ。
VASCO DA GAMAというポルトガルのワイン。どんな食事でも合いそうなすっきりした感じのワインです。
続いて韓国のギョーザ、ソウル風マンドゥクク。
実は私はこれまで韓国に行ったことがありません。
韓国ではギョーザのことをマンドゥと呼び、蒸したジンマンドゥが現地では最もポピュラーな食べ方で、街中どこでも専門店が見つかるそうです。
焼くか揚げるとクンマンドゥ。茹でるとムルマンドゥと呼ばれます。
そしてスープに入ったマンドゥをマンドゥククと呼び、韓国のりと錦糸卵がスープに入っているのが特徴です。
もっちりとした小麦粉の皮の中にはたっぷりの餡が詰まっています。
具材は豚肉は入っているものの野菜中心。キムチや豆腐が入っていてサイズは大きいもののあっさりしているので何個も食べることができます。
この後のアゼルバイジャンのギューザに合わせるためワインを白から赤へ変更しました。
アゼルバイジャン料理にはアゼルバイジャンのワインということで、DALLARというワイン。やや甘酸っぱい感じの特徴のあるワインでした。
そしてこの日のハイライト、「ギューザ」の登場です。
「ギューザ」は「Gyurza」と書くそうです。「まんじゅう」系の名前は韓国の「マンドゥ」やトルコの「マントゥ」など世界各地で見られますが、日本の「ぎょうざ」と同じような発音をする料理は初めて聞きました。
さらに、ギューザにはバターソースとスマックという干し梅を使ったスパイスがかかっています。スマックは酸味があって、見た目も味もゆかりに近いです。
日本とアゼルバイジャン、これほど離れたところで似たような食べ物が存在しているというのはなんとも不思議なものですね。
包み方は、とても手が込んでいて変わった模様になっています。
この包み方は「ネズミ包み」とか「French Briding Style」とか呼ばれるらしいです。
「French Briding Style」というのは、結婚式用の髪の毛の結い方を模しているということなのだと思われます。たしかに三つ編みっぽい感じに見えます。
ととら亭の奥様も最初は包み方がよくわからず苦戦をしたらしいのですが、Youtubeで包み方の動画を見つけてようやく習得したのだとか。
この探究心がすばらしいですね。
餡には土地柄ラム肉が使われてスマックの酸味とのバランスがちょうど良い感じ。ワインともよく合いました。
今回も世界各国のギョーザ達を堪能し大満足のトトラ亭でした。料理だけでなく現地での久保夫妻の体験を共有いただえるのがとても贅沢な時間です。
世界の餃子特集は6月ぐらいまでの開催で、その後はまた新たな料理を求めてロシア方面に旅に出るのだとか。
ととら亭の久保夫婦が次はどんな料理を持ち帰ってくれるか楽しみにしてます!
- ジャンル:洋食
- 住所: 中野区野方5-31-7
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- (写真提供:美味B級)